健康 いくつになっても健康でいつまでも元気でいたい

中頓別町では、町民とともに策定した「健康なかとんべつ21」を基本に町民の健康づくりに取り組んでいます。
今月号では、町民の主体的な健康づくりの取り組みや行政が行う事業について紹介します。

中頓別町では、こどもから高齢者まで様々な年代の方々の主体的な活動が展開されています。
例えば自主的な子育て交流の場である「ひよっこクラブ」、食を通じて健康を楽しむ会「北作楽」、自分たちで音楽をかけてリズムに合わせて体を動かす「誰でもできる簡単エアロビクス」、「寝たきり知らずの健康講座」の取り組みから始まった「たいそう元気会」、最近では第3次健康なかとんべつ21の取り組みから生まれた「やりたいことクラブ」ほか様々な動きがあります。
また、町が行っている健康診査や健康づくり事業を通じて、自分の体で起きていることを学び、自分自身にあった取り組みや主体的な健康づくりを自分自身で選択するという行動が多くみられています。
いくつになっても健康で、いつまでも元気でいたい。そんなみんなの思いが実現できるように、これからも町民の主体的な健康づくりの取り組みを応援していきます。

◆川尻 登喜さん
寝たきり知らずの健康講座やたいそう元気会に参加しようと思ったきっかけは、家にこもっているのがよくないと思っていたからです。参加することで家族以外の人とも話す機会となっています。
講座などに参加して少し知識を持っていたことで年齢を重ね健康の壁にぶつかった時に助かったことが何度かあったので、若い頃から色々なことに目を向ける大切さを実感しています。
元気に生活するには、自分の体が動くことが第一条件になります。運動を長く続けるのは難しいことですが、都合が悪い時はとぎれとぎれになっても続けていくことが大切です。みんなで集まって楽しく運動をできるのはとても嬉しいことなので、もっとたくさんの人に参加してほしいと思っています。

◆Ph.D.,健康運動指導士,元北海道文教大学教授 侘美 靖さん
1989年 北海道文教短期大学 講師
2024年3月 北海道文教大学 教授退職
2002年から『寝たきり知らずの健康講座』の企画から実施に携わり、「たいそう元気会」の活動にも関わり続けています。

『「たいそう元気会」とともに24年』
私の初めての中頓別訪問は、2002年秋でした。『寝たきり知らずの健康講座』を始めるにあたり、当時の保健予防係長から、私が所属していた北大・大学院の森谷絜教授の研究室宛に協力依頼が届き、企画と実施リーダーを任されたのがきっかけです。当時の中頓別町の保健師たちの「中頓別町の健康レベルを引き上げよう」とする熱意や、講座の参加者たちの「学んだ体操を自分たちで継続していこう」という思いが素晴らしく、「大層(≒とても)」と「体操」を掛け合わせた「たいそう元気会」(以下、元気会)を発足させました。「地域に根差した健康づくり」を研究していた私には、とても刺激的でした。
元気会活動の特徴は、(1)家庭でも気軽にできるゴム体操(サイジゴム)の実践にとどまらず、(2)週1回会員が一緒に運動する機会を設け、(3)月1回はインストラクターの石川朋美さん(札幌)を囲んで、楽しみながら運動を実施しています。また(4)毎年1回開催の『寝たきり知らずの健康講座』では、体力測定会、昼食会(豚汁とおにぎり)、健康講話、歩行運動や踊り体操などの軽運動を行い、笑顔で終われるように工夫しています。さらに(5)日頃の運動の効果を実感し、観光を兼ねた毎年恒例の“お楽しみバス旅行”も、元気会の主要なイベントです。私は、各自の身体特性と興味関心に応じた“マイペースの頑張らない運動”を推奨していますが、それぞれのペースに合わせて(1)~(5)のいずれにも参加できる多様性と自由度が、元気会の特徴だと考えています。
健康講座の体力測定会では、握力や長座体前屈のほかに、10m障害物歩行やロコモ度テストなどの転倒予防関連項目を測定しています。私からは「測定結果を他人と比較せず、前回の自分の記録と比べること。前回より大きく低下していないことがとても素晴らしい!だって1歳年をとっているんですよ!!」と強調して伝えています。自分のペースで動き回れることが、新たな楽しみへ向けた積極的行動に繋がることから、『健康は楽しみの後についてくる』を合言葉としています。
保健センターには「楽しそう、私にもできそう」と思えるような、笑顔で動き回っている元気会活動の写真が貼ってあります。「みんな一緒に笑顔で運動を続けよう」とする健康づくり活動が、中頓別の「地域に根差した住民活動」の1つとして、さらに次の世代にも引き継がれていくことを期待しています。
『急がずに、だが休まずに』(ドイツの詩人ゲーテが残した言葉です)