- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道鹿追町
- 広報紙名 : 広報しかおい 令和7年5月号
3月に、九州の霧島連山にある新燃岳で、噴火警戒レベルが入山規制を伴うレベル3に引き上げられました。日本には111の活火山があり、そのうち活動が活発な50火山は、噴火の前兆を捉えるため24時間体制で常時観測されています。新燃岳も常時観測対象となっている火山で、火山性地震の増加や山体の膨張を示す変化が観測されました。
北海道の火山に目を向けると、9火山が常時観測対象です。鹿追の近くでは、十勝川の源流部にある十勝岳が常時観測対象の活発な火山です。晴れた日には、鹿追市街から北西の方に、残雪の美しい山並みが見えます。昭和37年の噴火では鹿追でも火山灰の降灰被害がありました。約30年後の平成元年にもマグマ噴出を伴う噴火があり、さらに30年を経た現在、いつ噴火が起こってもおかしくありません。鹿追でも降灰の可能性は十分にあり、注意が必要です。
実は、鹿追にも火山があります。東西ヌプカウシヌプリをはじめとする然別湖周辺の山はほとんどが火山です。然別湖は約6万年前からの火山活動でせき止められてできた湖で、周辺では火山性の温泉が湧出しています。古文書などに残る有史以降の噴火記録はなく、また、現在噴気があるわけではないので、こちらは今のところ噴火の心配はないでしょう。ただし、火山としてはまだ若く、きっと何万年かのうちに、また活動します。私たちは、そんな火山の国に暮らしています。
問い合わせ:とかち鹿追ジオパーク推進協議会事務局(ジオパーク推進課)
【電話】67・2089