- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道更別村
- 広報紙名 : 広報さらべつ 令和7年3月号
■更別村いのちを支えるまちづくり計画(更別村自殺対策計画)について
vol.131 保健師 竹村友美
村では、令和6年3月に第3次どんどん元気さらべつ(更別村健康増進計画)を策定し、計画に基づき各種健康に係る事業を実施しています。また、この計画のなかには「誰も自殺に追い込まれることのない更別村」の実現を目指し、更別村いのちを支えるまちづくり計画(更別村自殺対策計画)が含まれています。
国では、自殺者が最も多い3月を『自殺対策強化月間』としております。今月号では、更別村いのちを支えるまちづくり計画から、村の現状と取組状況についてお知らせします。
◇村の現状
平成21年から令和3年までの13年間の村の自殺者は14人となっています。全国および北海道と比べるため、自殺死亡率の5年間平均で見ると、最も高い平成29年の48.1%から令和3年には12.4%まで減少しており、全国および北海道を下回る水準となっています。
〜自殺者数・自殺死亡率の推移〜
性別で見ると、男性が42.9%、女性が57.1%と女性の方が多くなっています。年代別で見ると、50歳代と80歳代が最も多く、30歳代未満はいませんでした。
全国および北海道と比べると、村の自殺死亡率は低い状況ですが、自殺に追い込まれるという危機は「誰にでも起こり得る危機」です。そのような危機に陥らないよう、村ではさまざまな取組を実施しています。
◇いのちを支える自殺対策の取組
《いのち支える》
(1)地域におけるネットワークの強化
自殺の要因には健康・経済問題、家庭や学校、職場での問題などさまざまな要因があるため、地域の関係機関が連携を図っています。
(2)生きることを支える人材の育成
重要なのは早期の「気づき」です。
さまざまな悩みや生活上の困難を抱える人が示すサインに気づき、話を聞いて見守りながら必要な相談、支援機関につなぐ役割を担うゲートキーパーを育成しています。
(3)住民への啓発と周知
相談窓口の情報提供や定期健康相談日の周知、講演会などにより、自殺を考える人の心情や背景への理解が深まるよう、また、そうした危機に陥った場合には誰かに援助を求めることが適切であることが共通認識となるよう、普及啓発を行なっています。
(4)生きることの促進要因への支援
自殺に追い込まれる危険性が高まるのは、将来の夢、やりがい、良好な人間関係など「生きることの促進要因」よりも、孤立、失業、いじめなどの「生きることの阻害要因」が上回ったときです。「生きることの促進要因」を増やす取組として、全世代への居場所づくりや自死遺族支援事業の紹介を行なっています。
(5)児童生徒のSOSの出し方に関する教育
「生きることの包括的な支援」として、「困難やストレスに直面した児童・生徒が信頼できる大人に助けの声をあげられる」ことを目標として、SOSの出し方に関する教育を進めています。また、子どもからのSOSに対して周囲の大人が適切に対応できるよう、児童生徒が気軽に相談できる体制として、いじめ防止対策やスクールカウンセラーを配置しています。
問い合せ:保健福祉課保健推進係
【電話】53-3000