くらし 議会だよりー1ー

■とよころ議会だより 6月定例会

No.123
2025年8月
北海道中川郡豊頃町議会発行
議会広報特別委員会編集

「按田町政2期目 初の定例会 今後の重要施策について問う」

◆6月定例会あらまし
令和7年第2回定例会は、6月3日に開会しました。

1日目は、補正予算や条例改正、豊頃町副町長の選任など11件の議案審議等を行い、いずれも原案どおり可決、同意しました。

2日目は、一般質問ほか議員発議2件と意見書5件を可決するなどし、閉会しました。

まずは、一般質問のようすからお伝えします。
今回は、2名の議員が登壇し、町政2期目の政策についてそれぞれの切り口で質問しました。

◆一般質問
[小笠原 玄記(おがさわら げんき)議員]
Q 物価高騰 助成金の見直しは
A 情勢を踏まえ柔軟に対応する

◇助成金の見直しは
Q 町長は子育て世代の経済負担軽減を公約に掲げています。
町では、高校通学や小中学校の修学旅行などに対し助成していますが、現在の物価高騰の状況を踏まえると、助成金の見直しは喫緊の課題だと思います。
今後の具体的な対応について伺います。

A 按田町長
昨今の物価高騰が町民の生活に大きく影響していることは、私も強く実感しています。ま助成金の見直しはた、人口減少対策の一つとして、安心して子育てができる環境を整えることは重要だと考えています。
町では議員ご指摘の助成金のほかにも保育所通所支援金や高校生までの医療費助成などを行っており、子育て世代の経済負担軽減に一定程度の効果があるものと捉えています。
それぞれ根拠をもって助成金の額を算出していますが、社会情勢を踏まえて柔軟に対応する必要があると感じています。
財源は限られていますので、どのように配分するか協議し、よりよい支援ができるよう執り進めてまいります。

Q 高校就学助成金は、最寄りの高校までのJR通学定期代(豊頃駅~池田駅)が算定の根拠だと思います。当初、月額5,000円からはじまり、現在は月額7,000円を助成しています。
今年4月にJR運賃が改正され、ひと月の通学定期代は8,690円に値上がりしました。
高校就学助成金を見直す必要があると思いますが、考えを伺います。

A 町長
高校就学助成金の算出根拠は、最寄りの高校までの通学定期代ですが、保護者負担をできる限り軽減することを第一に考え、帯広市内や道外の高校へ進学した生徒の保護者に対しても助成しています。
7,000円の助成について、今のところ保護者から増額してほしいという意見は聞いておりません。そういった声があれば、子育て支援策全体として対応を検討する必要があると考えています。

Q 帯広市内の高校へ進学した場合、下宿する生徒も相当数おり、下宿費用に対する保護者負担は相当なものだと思います。
北海道では、高校がなくなった自治体に住む保護者に対し、時限的な措置ですが通学費や下宿費を補助する制度があります。
町で下宿費を助成する考えについて伺います。

A 町長
さまざまな実情から下宿を選択する家庭もあると思いますが、町の財源の問題や全体的な均衡を考えると、個別に対応することは非常に難しいと考えます。

◇産業振興について
Q 農林水産業や商工建設業など我が町の基幹産業について、第三者継承を含めた担い手対策が必要だと考えます。
近隣自治体では、地域おこし協力隊を活用した担い手、後継者確保を行う例も増えています。
このことについて、本町の考えを伺います。

A 町長
総務省の調査によると、地域おこし協力隊の任期満了後に定住した隊員のうち、約15パーセントが一次産業に従事しています。地域おこし協力隊にとって、一次産業が職業の選択肢になり得ると考えます。
これまで地域おこし協力隊の募集に関しては、飲食業や小売業の新規起業希望者や観光振興のための人材などを中心に募集していましたが、今後は、一次産業の担い手も視野に入れて募集したいと思います。
各産業団体と事業承継について情報連携を密にしながら、地域おこし協力隊の募集を進めたいと思います。

Q 産業誘致について、空き地や遊休施設を活用した産業誘致の考えを伺います。

A 町長
持続的な雇用創出や地域経済の活性化を図るため、地域住民や各産業団体と協議し、自然環境への影響を十分に検証した上で、空き地・空き家を活用した産業誘致などあらゆる可能性に積極的に取り組みたいと考えています。

◇茂岩地区商店街の再構築は
Q 消防庁舎移設も含め、茂岩地区商店街の再構築は、町長2期目の重要施策になると考えます。
持続的な商店街発展に向けた具体的な対策について伺います。

A 町長
商店街の衰退は、町民生活への影響や町の存続にとって重要な課題と考えています。
空き店舗や後継者問題などの課題を整理し、地域のニーズや特性を踏まえた考え方をとりまとめ、商工会と連携し、地域資源を活用したコンパクトな商店街の再生に取り組む考えです。

Q 茂岩地区の公共施設の利活用の評価と今後について伺います。

A 町長
地域経済の活性化や観光振興を目的に、まちなか活性化施設「ココロコテラス」を整備しています。
「ココロコテラス」では、ふるさと納税、(※)互産互生事業、店舗販売、宿泊事業などを展開しています。来客数や販売数は年々増えており、一定程度経済効果があるものと感じています。
茂岩地区商店街の再構築に向けた構想の中で、今後の事業展開について精査したいと考えています。

※互産互生事業
地域同士が「お互い地域にないもの」を相互に交換するなかで新たな価値を創造しようとする取組のこと。

Q 「コンパクトな商店街」とは、新規の建物をなるべく建てずに現状の建物を利活用するという理解をいたしますが考えを伺います。

A 町長
そのとおりです。
ただし、住宅を兼ねた空き店舗が多いことなどから、役場庁舎・消防庁舎周辺の空き地の有効活用も視野に入れた計画を進めたいと考えます。