- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道浦幌町
- 広報紙名 : 広報URAHORO 令和7年4月号
■浦幌町長 井上亨
「テクノロジーは私たちを幸せにしているのか?」
この問いへの答えを追求するのは今から3年前に本町で起業したフォレストデジタル株式会社辻木代表の言葉です。
当社が特許を持つ世界初のクラウド空間VR「Uralaa(うらら)」は、どんな部屋でも自然豊かな森の中など様々なシーンに変えていく。
都会に住んでいても、体が不自由な方でも、この機能があればいつでも好きな場所へ仮想没入(イマーシブ)体験ができるのです。
去る2月12日に当社による資金調達・事業戦略発表会が常室ラボで行われ、資金拠出企業様や十勝総合振興局長はじめ応援していただいている関係団体の方が集まる中、1.3億円の資金調達と次のステージに向けた事業構想の発表がありました。
そもそものきっかけは、都市部で働く企業人数名が浦幌に来て、林業現場を見学したこと。
樹齢50年以上の木が1本数千円で取引されている現状を知り、価値を上げる仕組みづくりが必要だと共感したメンバーがそれぞれ所属していた会社を辞め、ゼロから起業をしたのです。
しかし、スタートアップ企業にとっては、まとまった資金調達が叶うまでの厳しい期間を辛抱強く耐えなければなりません。
彼らの苦労を知る一人として、ついにこの時が来たことをまるで自分のことのように嬉しく思うのでした。
我が町のありふれた森林風景が、企業人の関わりによって都会で暮らす人々の癒しとなる。
地方の資源に付加価値を付け、同時に町の活性化にもつながるのだとしたら、これこそ石破首相が目指す地方創生の好事例ではないでしょうか。
彼らの飽くなき探求心はまだ始まったばかり。「うらら」が国内はもとより世界中の人々に笑顔をもたらすよう更なる躍進を期待します。