- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道白糠町
- 広報紙名 : 広報しらぬか 令和7年9月号
VOL.28 「海での出会い」
白糠の海では、まだまだ初めて目にする自然現象や生き物にたくさん出会います。それは海という環境の懐の深さの証なのでしょう。きっと漁師さんたちはそれらを日常的に見ているのだろうなぁと思いながら、私はその新鮮な出会いを楽しんでいます。
■雨柱
雨柱とは、局地的に降る強い雨を遠くから見ると、雨が柱のように見える現象です。つい先日、「どうすれば雨柱を撮影できるか」を先輩カメラマンと話していました。雨柱の発生なんて、おそらく予測できないだろうし、見つけたらすぐに高い場所か開けた場所に行かないといけないだろう。見つけた時がそんなに暇である確率は高くない。ということで、「撮影はかなり難しい。運次第」という結論になっていました。
そんなある日、刺牛に行った時のこと。急に雲行きが怪しくなってきたなと思い始めた頃、なんと目の前に雨柱が出現!自然を相手にしていると、自分の運の良し悪しに対して、歓喜と失望の繰り返しになりがちですが、それがおみくじのようで面白くもあります。
■イルカ撮影はモグラたたき
この夏の一時期、白糠から浦幌にかけての海にイルカの群れが来ていました。場合によっては、波打ち際からわずか数メートルのところを泳ぐので間近で観察できました。ネズミイルカという種類のようです。10頭ほどの群れで、中には親子もいました。
イルカは頭の上にある噴気孔という穴を水面から出して呼吸します。水面から背中が出てくるのは、そうやって息継ぎをする数秒間だけ。そして、いつどこから出てくるかは全くわかりません。撮影はまるで『モグラたたき』です。それでも、小さな子どもは一度に大量の空気を吸えないためか、親子は息継ぎの間隔が短く、頻繁に出てきてくれたのでどうにか撮影することができました。
○PROFILE
六田晴洋 ろくた はるひろ
1986年生まれ。
2021年に白糠町へ移住。
大学卒業後、フリーランスのカメラマンやディレクターとして野生動物や自然風景を撮影している。
【URL】https://rokutaharuhiro.com