くらし 地域防災支援員の今日からやろう防災力UP

村山(むらやま)隆一(りゅういち)
1964年3月生まれ、白糠町出身。
1982年5月、釧路西部消防組合消防署に消防士として奉職。2022年4月、釧路市西消防署白糠支署長に就任。心理相談員や産業カウンセラーなどの資格を所有。
好きな食べ物はカレーライス。

No.4 地震の備え(前編)

~避難指示が発令されました~
「津波警報」が出たら『すぐ避難』がルールです。

7月30日朝「2025年カムチャツカ半島地震」により、北海道太平洋沿岸に「津波警報」が発表され9時40分に「避難指示」が発令されました。
Jアラート(全国瞬時警報システム)から津波警報または大津波警報が放送された場合、それは「避難指示」となり、町内全域において自動的に避難指示が出されます。
今回は、防災無線やエリアメールなどでも情報が伝えられました。一方「津波指定避難場所や避難タワーでは、水や食料がないことを知らなかった」「車が避難場所入り口にたくさん駐車していた」「何を持って逃げればよいか分からなかった」と言った声も聞かれ、避難行動に関する課題も見受けられました。
津波は地震の揺れがなくても発生する場合があります。警報が出た時点でためらわず、安全な場所へ避難することが命を守る大原則です。
今回はこの避難の教訓を踏まえて、まずは「非常持出袋」について改めて見直すきっかけにしていただければと思います。

○非常持出袋って?
非常持出袋は、発災直後に命を守るために持ち出す道具です。しかし、道具の使い方や持ち出すタイミングがわからないでは意味がありません。
持っていることが安心ではなく、『使える状態にしておく』ことが大切です。今回はまず、非常持出袋の「一次持出品」について、基本の考え方を押さえましょう。

○これが自分に合った一次持出品
・できるだけ軽く
・誰でも使える
・命に関わるものを最優先に

〔例〕
・メガネ、補聴器、入れ歯
生活の中で体の一部となるもの

・薬、医療機器、バッテリー
命をつなぐために

・携帯ラジオ、携帯電話、充電器
情報収集や家族との連絡に

・ヘッドライト、ネックライト
両手が使える明かりが最良

・ヘルメット、防災頭巾
頭部を守ります

・雨具、防寒着、カイロ
「濡れ」と「寒さ」は命に関わります

・携帯トイレ、ポンチョ、トイレットペーパー
トイレ事情の強い味方

・マスク、体温計、アルコール消毒
感染症予防のために、まとめて用意しておきましょう。

・ホイッスル
助けを呼ぶ際に効果的

・飲料水(500ミリリットル×2~3本)
持ち運びしやすいもの

・行動食(栄養バーやパンなど)
慣れたもの、好きなものが安心に

・抱っこandおんぶ対応のひも
子どもと避難するときの必需品

・家族写真、連絡先メモ
携帯電話が使えないときの備えに

・お薬手帳
薬の提供を受ける際の大事な情報

実際にリュックに詰めて背負ってみることもお忘れなく!