- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道別海町
- 広報紙名 : 広報別海 2025年4月号
◆1 はじめに
全町民が生涯にわたって、主体的に学び、自分の人生を豊かにするために、学びの喜びを味わえる教育環境づくりに努めます。とりわけ子どもたちには、一人一人が自分の良さや可能性を認識するとともに、あらゆる人を価値のある存在として尊重し、豊かな人生を切り拓くことができるよう、さまざまな人々と協働しながら変化を乗り越える力やふるさとの未来を築く力を育む教育を実践します。
そのために、これまで以上に学校と教育委員会の連携を強化し、町民が学びを通して、自己実現や社会貢献ができる機会を提供し、自立した社会人としての成長を支援します。
◆2 教育行政に臨む基本姿勢
(1)「学びの木を軸としたウェルビーイングの向上」
ウェルビーイングとは、「身体的・精神的・社会的に幸せな状態にあること」であり、今だけでなく将来にわたる幸せを意味し、また、個人のみならず、地域や社会が持続的に良い状態にあることを含んでいます。
別海町では、社会教育と学校教育が連携して「学びの木」の実現を図ることで、町民一人一人の幸せが別海町全体の活性化につながる関係を創造します。目指すのは、「郷土愛を礎に主体的に生きる別海町民」「協働してふるさとの未来を創る別海町民」の姿です。
(2)「ふるさとキャリア教育の推進」
ふるさと別海を愛する心を基盤にしながら、自分の未来とふるさとの未来の在り方を考える子どもを育てる「ふるさとキャリア教育」を推進します。合言葉は「町民すべてが先生で、海と大地が学びの舞台」です。
「町民すべてが先生で」とは、子どもが、モデルとなる大人から人生観や勤労観、知恵、技術、開拓の労苦などを学ぶとともに、大人が、「地域の子どもは地域が育てる」という意識を持つことです。「海と大地が学びの舞台」とは、別海町の自然、風土、歴史、産業、文化などをベースとして、ふるさとの未来を創造するという気概を持つことです。
ふるさとキャリア教育も、社会教育と学校教育が連携して推進します。
◆3 主要施策の推進
(1)生涯にわたり学ぶ社会教育の推進
すべての町民が、生きがいを持って暮らせる社会を実現するために、生涯学習センター「みなくる」をはじめとする各社会教育施設を拠点とした町民主体の活力ある地域コミュニティづくりを通し、生涯にわたり学ぶことができる環境づくりを進めます。
そのために、「学びの木」を生涯学習のよりどころとし、時代に即応した学びの木の見直しや啓発、活用に係る調査研究を生涯教育研究所において取り組みます。
さらに、各公民館で実施する小学生を対象とした「アドベンチャースクール」をはじめとする「青少年事業」や、「寿大学」などの多様な世代に講座などを通じて、「人づくり・つながりづくり・まちづくり」の3つの社会教育の効果を生み出せるよう関係機関と連携しながら、事業の目的や直接体験を重視した自立と共創を目指す学習プログラムの充実を図ります。
また、人生100年時代を豊かに生きるため、学びの木を礎に、「学び直しの機会」を提供しながら自己の達成感や充実感を感じ取れる学びの環境を整備します。
図書館では、乳幼児期から本に親しむため、「ブックスタート事業」を継続し、「小さい子のおはなしの時間」や「赤ちゃんタイム」を設定して親子で利用しやすい環境整備を図ります。また、読書バリアフリーの視点から誰もが文字・活字文化の恩恵を受けられるよう、LLブックや大活字本、布絵本などの資料を配置するとともに、「高齢者等図書宅配サービス」で郵送による貸し出しを行い、利用者ニーズの多様化に対応します。
学校図書室については、学校と連携し環境整備を進め、団体貸し出しや「わくわく読書会」などの学校訪問事業を引き続き実施します。
また、「移動図書館車」と「上西春別地域開放型図書室」の充実に努めるとともに、町内読み聞かせボランティアの交流会や図書館カフェを実施するなど、町民が集い学べる読書環境の整備を図ります。
さらに、郷土についてより深く知るための地域資料を積極的に収集するとともに、後世に良好な状態で保存するためのデジタル化を進めます。