くらし 暑さに負けない体づくりを 熱中症対策してますか?

暑い日が続いていますね。熱中症の予防に、こまめな水分補給が必要ということは、もはや常識ですが、今年の6月から、職場での熱中症対策も義務化されました。羅臼町は屋外仕事の方が多い地域なので、熱中症には気をつけたいですね。
熱中症対策=水分・塩分補給と思われがちですが、実はそれだけではないのです!いくつかポイントに分けてお知らせします。

■体温を上げすぎない
体に熱がこもらないよう、適宜体を冷やすことが大切です。体温は気温や湿度にも影響されるので、日傘や帽子などで直射日光を避け、風通しのいい環境で作業する等工夫が必要です。特に湿度が高いと、汗が蒸発しにくく体に熱がこもりやすくなるので、衣服の調節やクールリング等で局所冷却をして、体の熱を逃がしましょう。

■電解質のバランスを整える
実は一番の予防ポイント。熱中症は、体の電解質(イオン)のバランスが崩れるこよにより、様々な症状が現れます。普段から電解質のバランスを整えておくことで、熱中症にもかかりにくくなります。
電解質とは、水に溶けると電気を通す物質で、細胞の浸透圧を調整したり、筋肉細胞や神経細胞の働きにかかわる役割があります。体液に含まれる電解質には、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・クロールなどがあり、これらは「ミネラル」と呼ばれる栄養素です。ナトリウムは塩に多く含まれる栄養素なので、熱中症予防で〝塩分補給〞と言われるのは、この部分。でも電解質全体のバランスを整えるには、ほかのミネラル分も補給する必要があるので、ミネラルが多く含まれている食品:野菜・きのこ・海藻を、付け合わせ程度の量ではなく、しっかり食べることが大切です。
中には野菜ジュースやサプリメントで不足分を補っている方もいると思いますが、実はジュースやサプリメントで摂るミネラルは、残念ですが大半が体内で使われていません。ビタミンやミネラルは、体内で一定濃度分しか保持することができず、ジュースやサプリメントで摂ると一気に濃度が上がり定量オーバーとなり、保持できなかった分は、体外に排泄されてしまい、表示している量より摂れていないのです。一方で、野菜などから摂るビタミン・ミネラルは、ゆっくり吸収されて過剰になることはほとんどなく、効率よく吸収されていくので、ミネラルの補給には野菜がオススメです。
電解質のバランスを保つために、むくみにも注意が必要です。体がむくむと、電解質のバランスが悪くなります。夏場、むくみやすくなるという方も多いのではないでしょうか。塩分の摂りすぎもむくみに繋がりますが、実は糖質の過剰摂取も体内の水分を溜め込みやすくして、むくみの原因となります。体内で余った糖質はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられますが、グリコーゲンは水分を多く含むので、貯蔵量が増えるとむくみも引き起こします。また糖質を摂ると血糖値が上がり、インスリンが分泌されます。インスリンはナトリウムの吸収も促進するので、塩分を控えめにしていてもナトリウムが体内に多く溜まり、それを薄めようと水分も呼び込むので、むくみに繋がってしまいます。
水分補給で、良かれと思って糖分の入ったジュースや缶コーヒーなどを飲む人も多いと思いますが、それは前述のように体内に水分を溜め込みやすい状況を作り、逆に熱中症になりやすい状態になってしまいます。これを防ぐためにも、普段の水分補給は糖質のない水やお茶から摂ることがオススメです。またカフェインが含まれているものやアルコールは利尿作用や脱水作用があるので、水分補給には向いていません。

■汗をかいたらスポドリを
普段の水分補給は水やお茶でいいのですが、気温が高くて黙っていても汗をかく・体をたくさん動かして汗をかいたという場合は、迷わずスポーツドリンクで水分補給してください。
もしも熱中症になってしまったら、体を冷やして経口補水液で水分補給します。ただし、経口補水液は冷やさずに常温で飲むというのが最重要ポイント。浸透圧は温度と関係し、体温に近い温度が一番吸収されます。体温から離れるほど吸収されにくくなるので、常温で保存してください。経口補水液で熱中症の症状が改善しない場合は、救急車を呼ぶ必要があります。そうならないためにも、体の電解質のバランスを整えて、暑い夏を乗り切っていきましょう!

■熱中症対策まとめ
▽体温を調整する
・涼しい衣服
・局所冷却(ポータブル扇風機やクールリングなど)
▽カラダの電解質バランスを整える
・野菜・きのこ・海藻でミネラル補給
・むくみに注意(減塩と糖質の摂り方)
※飲み物以外にも糖質は含まれます。お昼、麺だけで済ませていませんか?
・カフェインとアルコールの摂り方
▽汗のかき方に合わせて飲み物のチョイスを