くらし イチ ビト~一関の輝く人 No.16

■たくさんの縁がつながり、養蜂の世界へ こどもたちが安心して食べられるものを
宮城県気仙沼市の高校で養護教諭をしていたときに東日本大震災を経験。津波被害を目の当たりにし、命の尊さを実感したことで「人生一度しかない」との思いを強めました。自身の幼いこどもと接する時間を確保するため、令和元年に退職。以前から好物だった蜂蜜の食べ歩きや味比べを楽しんでいましたが、雑味のなさとミツバチとの向き合い方に衝撃を受けた西和賀町の養蜂園オーナーとの出会いが、大きなターニングポイントとなりました。
セイヨウミツバチの一群(1万匹ほど)を知人から譲り受けると、あれよあれよという間に令和4年に起業。巣箱の組み立て・設置、ハチの観察や栄養補給、天敵となるオオスズメバチの駆除など、大半の作業を1人でこなします。ハチの子などが混じるのを避けた採蜜方法にこだわり、雑味のない味わいが特徴。商品は近隣の雑貨店やカフェなどで販売しているほか、喜ぶ顔が見られるマルシェでの対面販売が大好きです。
「いつかは養蜂を通じて、こどもたちと触れ合ったり里山の環境教育につなげたりできればいいですね」と夢を広げます。

▽養蜂家
髙橋友梨(たかはし・ゆり)さん 36(室根)
Profile
昭和63年、北海道札幌市出身。Takahashi bee farm店主。目指すのは「ハチにも人にも誠実な養蜂」。こども会役員や婦人消防協力隊員の一面も。絶賛どハマり中の家族マージャンで心と体をリフレッシュ。