- 発行日 :
- 自治体名 : 岩手県一関市
- 広報紙名 : 広報いちのせき「i-Style」 令和7年4月号
時枝直樹教育長は、市議会第116回2月通常会議で令和7年度の教育行政方針を述べました。概要を掲載します。
■はじめに
今日の教育を取り巻く社会環境は、急激に変化しています。市内の人口減少は進行していますが、こどもにおいてより顕著に現れています。
このこども減少の時代に、世の中をたくましく生き、地域の未来を切り開く人材の育成は一層重要であり、その使命を教育は担っています。地球的規模の視点で求められる持続可能な社会に向けた考え方、地域にどう関わりどう貢献していくのかの姿勢、多様性を踏まえた個別最適な学びなど、教育の質の向上が一層求められています。
これらの教育への社会的要請に応え、一関の持続的な発展を支えていくために、こどもたちがふるさと一関に誇りと愛着を持ち、知徳体の資質を兼ね備えた地域を支える人間に成長するよう、生涯学習の機会を充実させながら、教育行政を推進します。
■重点的に取り組む施策(重点プロジェクトなど)
教育振興基本計画後期事業計画の目標に掲げた「学びの風土を礎に 心豊かにたくましく 郷土の誇りを未来につなぐ 一関の人づくり」の実現に向けて、四つのプロジェクトを重点としながら、計画を着実に推進し、取り組みを総括します。
*内容は下のとおり
●重点的に取り組む施策
1 ことばを大切にする教育プロジェクト
・語彙(ごい)の豊かさ、ことばの感性、心の豊かさを育む
・公立図書館と連携を図り、読書の楽しさに触れさせる
・「ことばの響き」…詩や諺(ことわざ)を声に出し、絵本の読み聞かせを聞くことを通して楽しみながらことばに触れさせる。小学校では、ことばのテキスト「言海」を改訂し、児童がことばのリズムや響きを十分に感じながら、ことばの感性を高める
・「ことばの先人」…「言海」の先人ページを取り上げ、先人を学ぶ授業を行うことにより、郷土の歴史に対する理解と誇りを育む
2 グローバル人材育成プロジェクト
・キャリア教育は「地域に学び、地域で育てる」という視点に立ち、全ての中学2年生が社会体験学習に取り組む
・中学生最先端科学体験研修や英語の森キャンプ、ALTの派遣を実施する
・英語検定料補助により、英語の力を高めようとする中学校生徒を支援する
・ICT機器を有効活用し、情報活用能力を高める
・グローバル化する社会にあっても、本市教育の特色である、小学校での「ことば」の学び、中学校での社会体験学習での学びを通して、郷土および地域を大切にする人材育成を進める
3 学校と地域の協働推進プロジェクト
・令和6年度から全ての市立小中学校に学校運営支援協議会(コミュニティ・スクール)を設置し、育てたいこども像を地域と共有して、学校の支援に向けて協働している。今後も、学校運営に保護者や地域住民が関わるなど、地域社会全体でこどもたちの健やかな成長を育む取り組みを推進し、学校の情報や活動の様子を発信する
4 世界遺産拡張登録推進プロジェクト
・「ひらいずみ遺産」の取り組みを岩手県や奥州市、平泉町と連携して進め、資産の価値向上に向けた調査研究を継続する
・重要文化的景観「一関本寺の農村景観」保存計画の見直しに向けて、必要な調査を行うとともに、本寺地区の地域づくりは、地域住民と話し合い、支援を検討する
5 教育環境の充実
・こどもの数が年々減少していることから、引き続き保護者や地域の人々と学校規模の適正化について考える
・学校施設の老朽化などを踏まえ、より良い教育環境を確保する。第2期GIGAスクール構想を受け、タブレット端末などの更新に向け、準備を進める
6 学校部活動の地域移行
・生徒数の減少や教員の働き方改革などの状況の変化を見据え、持続可能な部活動を実現するため、環境が整った学校部活動から持続可能な活動へと移行する
問合せ:教育委員会教育総務課
【電話】82-2231