- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県名取市
- 広報紙名 : 広報なとり 令和7年9月1日号
■[第10回]わたしたちの暮らしと民具
「民俗」と聞くと、どこか古めかしい、むかしの出来事のように感じるかも知れません。しかし、実は、わたしたち(民)の日頃の暮らし(俗)のことを民俗と言います。そこには、毎日決まって行うこと(朝昼晩の食事の支度や掃除洗濯などの家事、通勤や通学、仕事など)が含まれます。年中行事(ねんじゅうぎょうじ)と呼ばれる1年の決まった時期の行事(お正月の飾りつけ、地区や学校の運動会、お盆の里帰り、お墓参りなど)も含まれます。そうした毎日の生活や一年の行事を通してみられる暮らしの知恵も民俗の一部です。暮らしの知恵は、より良い暮らしのための工夫でもあり、いまでは少なくなった村や集落の決まり事や仕組み(契約会や講などの集まり)も民俗と呼ばれます。
こうした毎日のより良い暮らしを支えてきた道具は「民具(みんぐ)」と呼ばれています。民具には、いまはもう使われなくなったものも、作り替えられているものもあります。こうした民具の変化からも、暮らしの変化を知ることができます。そのため、むかしの暮らしを学ぶことでいまの暮らしを知ろうとする「民俗」が、ときおり古めかしく思われたりもするのです。
このような民俗と民具に焦点を当て、市史編さん室が例年開催している「なとり市史企画展」の今年のテーマを「宮城に生きる民俗―自治体史と暮らしの記録―」としました。市史編さん事業における暮らしや民具の調査を、その記録方法にも迫りながら紹介します。また、今回の企画展は、東北歴史博物館が事務局となっている宮城県民俗担当職員協議会(通称「宮城民俗コモンズ」)と連携しており、本市を含め県内7つの会場で共通のテーマ性を持った企画展が同時期に開催されます。市の企画展は10月5日(日)から12月21日(日)まで市歴史民俗資料館で開催します。この機会に、わたしたちの暮らしを振り返りませんか。
問合せ:市史編さん室
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