- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県角田市
- 広報紙名 : 広報かくだ 令和7年7月号
『忙しいときこそ大切なものが見えてくる』
庄司 奈緒子(しょうじ なおこ)さん(43歳)
今年5月に開催された第86回河北美術展の洋画部門で岩手県知事賞を受賞された、北郷地区在住の庄司奈緒子さん。
幼稚園の頃に「にじみ絵※」で色が広がっていく様子を見て「絵を描くって楽しい!」と思ったのがきっかけで、今も絵を描き続けています。
受賞作『ささやかな記憶』は、家族のことを思い描いた作品です。ハトの周りに描かれた枝や葉は「忘れるはずのない記憶」や「記憶にも残らないほど小さな記憶」を表現しています。これまで庄司さんは、見る人それぞれが自由に感じ取れるよう、自分の思いをあまり込めずに描くことが多かったそうですが、この作品は約2年をかけ、思いを込めて描いたそうです。
大学卒業後は営業事務として働きながら、宮城県美術館の創作アトリエでボランティアをしたり、個展を開いたりと、絵の活動を続けてきました。角田市には出産を機に移住しました。
家庭との両立は大変ですが「忙しいときこそ大切なものが見えてくる」と話す庄司さん。絵を今までどおり描くだけで良いのかと悩んでいた時、市教育委員会主催の地域大学「かく大學」を知り、デザイン学部を受講しました。多くの人との出会いやつながりの中で、自身の世界が広がったと話します。翌年には「チャレンジラボ」に参加し、幼い頃からの夢だった絵本を作りました。かく大學で得たつながりから、梨ジュースのラベルデザインも手がけるなど、自身の作品を多くの人に見てもらう機会が増えました。
今後の目標は、まず「自分の気持ちを表現するために描き続けること」。そして、絵本の出版や展示など、作品を見てもらえる場を広げていくこと。庄司さんの今後の活動に注目が高まります。
※にじみ絵とは、濡らした画用紙に、薄めた絵具で描き、色が広がっていく描き方
・子どもと公園に遊びに行く時も、スケッチブックを持ち歩き、子どもが遊んでいる様子や公園の植物を描いているそうです。
日々の生活の中で、できないことや不安があると自分を否定してしまいがちですが、その中でも、できたことを一つ一つ肯定していくことが大事だと話されました。
・以前からAZDASおたよりコーナーにペンネーム「はとぽっぽ」さんで投稿をいただいてます。今月は下段にミニコーナーを設け掲載しましたのでご覧ください。