- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県多賀城市
- 広報紙名 : 広報多賀城 令和7年4月号
■収蔵庫の宝物 職員のイチオシ資料紹介
□縄文時代のアクセサリー
紹介する資料は、松島町にある永根貝塚(ながねかいづか)という遺跡から発見された縄文時代のアクセサリーです。元々は個人が採集したコレクションでしたが、平成5年度に資料の寄贈を受け、本市の収蔵品となりました。資料は、いずれも今から約3,300年前以降の縄文時代終わり頃のものです。
本紙27ページの写真右側は、鹿角を加工して作られたものです。丸い棒状の鹿角を半分に割ったものや、角の先端を素材として、勾玉(まがたま)に似たような形に整えられたものがあります。紐を通すための穴が開けられていることから、首や腰に付けるアクセサリーと考えられます。
本紙27ページの写真左側は、同じく鹿角を加工して作られた腰飾りです。幹角と枝角を上手に使い、鉤かぎ状の飾りに仕上げており、全体的に装飾が彫られています。
縄文人は、アクセサリーを医療行為のためや、何らかの社会的立場を示すための道具としても使っていた事例があると考えられています。今回紹介した資料も、単なる身を飾るものとしてだけではなく、さまざまな縄文人の思いが込められていた逸品と言えるでしょう。
※紹介した資料は、4月末まで埋蔵文化財調査センター展示室で見ることができます。
問合せ:埋蔵文化財調査センター
【電話】368-0134