くらし 令和6年度決算審査意見書

地方自治法および、地方公営企業法の規定により、決算を監査委員の審査に付することとされています。監査委員が市の決算書などを確認し、予算執行や会計処理が、適正で効率的に行われているか審査しました。

◇決算審査期間
6月3日(火)から8月25日(月)まで、藤野修一監査委員と伊藤郁也監査委員、高橋勝男監査委員が審査を行い、9月4日(木)に市長に決算審査意見書を提出しました。

◇審査結果
一般・特別・事業会計の決算と基金の運用状況などを審査した結果、決算書などの計数は正確で、その内容や予算執行状況も適正、妥当と認めます。

■監査委員意見
◇一般・特別会計、基金運用状況
令和6年度は、第2次栗原市総合計画後期基本計画に基づき、地域交通の利便性や子育て支援の充実を図る新規事業などが実施され、さらに結婚支援や各種医療助成、基金を活用した学校給食費無償化など幅広い施策の実施により、市民が安心して暮らせる取り組みが進められました。
加えて、物価高騰対策として商品券配布や各種支援事業が行われ、市民生活と地域経済を支える取り組みが行われました。
また、これまでの市政運営の取り組み成果として「住みたい田舎 ベスト ランキング」で全国の人口5万人以上10万人未満の市部門で全国第1位の評価につながったものと考えられます。
一方、財政面では、実質公債費比率などは早期健全化基準を大きく下回る水準が維持されていますが、普通交付税の減少や義務的経費の増加により、今後一層厳しさを増すことが確実視され、公共施設の老朽化に伴う維持補修費や、その他の経費の増加も懸念されることから、第3次行政改革大綱 後期計画に基づく推進プログラムの着実な実行はもちろんのこと、財源の確保にも努められるよう、望みます。
地方自治法においては、住民福祉の増進と最小の経費で最大の効果を上げる行政運営が求められていることから、この趣旨にのっとり、市民と行政が協働し、地域課題に主体的に取り組むことで「市民が創る くらしたい栗原」の実現に向け、着実に推進されることを期待します。

◇水道事業会計
市内の配水管の耐震化や石綿セメント管の更新など施設整備を進めるとともに、日常的な点検・改修を行い、安全で安心な水道水の安定供給が行われました。
今後の給水人口減少を見据え、未収金対策や有収率向上に取り組むと共に、施設更新や統廃合を進め、健全な経営を確立することが求められます。
水道は、市民生活における重要なライフラインであり、将来にわたり安全で安心な水環境の確保に向け、「栗原市水道ビジョン」や「栗原市水道事業経営戦略」に基づき、一層の経営基盤の強化を望みます。

◇下水道事業会計
下水道や浄化槽に接続されている住宅や施設の割合を示す水洗化率は前年度と同ポイントでありましたが、将来的には、人口減少の影響により、下水道使用料収入の伸びが鈍化することが予想されることから、下水道未接続世帯への普及啓発に努め、水洗化率の向上と未収金対策による収益確保に努めていく必要があります。
また、老朽施設の更新費用の増大に備え、施設全体の管理を最適化するストックマネージメントの推進に取り組んでもらいたいと思います。
下水道事業は、市民生活を支える基盤であることから、「栗原市下水道事業経営戦略」に基づき、中長期的視点で持続可能な経営に努められるよう望みます。

◇病院事業会計
「栗原市病院事業第四次経営健全化計画」に基づく経営改善に取り組み、市の人口減少により患者数の増加は見込めない中でも、病院事業全体で急性期・救急、在宅医療、慢性期医療を担い、機能分化を進め自治体病院として良質な地域医療の提供に努められましたが、新型コロナ補助金の減収や急性期病棟の休棟に伴う患者数の減少などにより、前年度と比較して純損失が大幅に増加となりました。
医業収益の改善は喫緊の課題であり、持続可能な財政構造の確立に向け、早急な経営改善が求められます。
将来にわたり安定的かつ継続的に質の高い医療を提供できるよう、健全経営に尽力されることを強く望みます。
※意見書の全文は、市ウェブサイトで確認してください。

問合せ:栗原市監査委員事務局
【電話】42-1120