子育て [教育特集]東松島市が目指す「15歳の姿」(2)

(1)中学0年生プロジェクト
未来学区では令和5年度から、鳴瀬桜華小学校と宮野森小学校の6年生が混合学級を作り、進学先である鳴瀬未来中学校で中学校の先生方の授業を受ける「中学0年生プロジェクト」を行っています。小学校段階から他校の児童との関わりを増やすとともに、中学校の雰囲気に慣れることで、中学校入学に対する不安の解消を図るのが目的です。

~「中学0年生プロジェクト」の効果~

●鳴瀬未来中学校 會田晋一教頭先生の話
小学校6年生を中学校に招いて中学校の教員が授業をすることは、小学生の実態を把握したり、小学校と中学校の学習の系統性を考える貴重な機会となっております。授業には小学校の先生方にも積極的に入っていただいており、小学生も安心して学習に取り組んでいる様子がうかがえます。
今年度の中学1年生の様子を見ていると、入学当初より仲が良く、非常によい雰囲気で学習をはじめとする諸活動に取り組んでいると感じます。これは、中学0年生プロジェクトで、何度か他校生と一緒に活動していること、中学校の先生方や環境に慣れていることなどの効果によるものだと思います。小学校と中学校の差に戸惑う、いわゆる「中1ギャップ」と言われるような状況も見られず、不登校の抑制にもつながっていると実感しています。

今年度は10月31日に数学と体育、12月9日に英語と美術の授業を行いました。初めのうちはやや緊張していた子どもたちも次第に打ち解け、楽しそうに活動している様子がうかがえました。

(2)教えて!中学校の先生!
今年度から、鳴瀬未来中学校の小野(おの)さくら教諭が、鳴瀬桜華小学校と宮野森小学校の6年生に年間を通して音楽の授業を教えています。

●鳴瀬桜華小学校 大友賢校長先生の話
中学校の先生の指導により、児童が中学校をより身近に感じられるようになっているほか、専門的な指導により、児童の音楽の力が高められています。また、6年生担任にとっては音楽の時間を他の教材研究等に費やすことができるといったメリットもあります。
これからも「目指す15歳の姿」を小・中学校で共有しながら、小中連携を意識した取組を進めていきたいと考えています。

●児童の声
・楽譜が読めるようになった。
・合唱を楽しいと感じ、自信をもって歌えるようになった。
・音楽の時間がとても楽しみになった。

●6年担任の声
・歌声がきれいに感じる瞬間が増えた。
・楽しんで歌う子が増えた。
・中学校の話をたくさんしてくださり、児童が中学校での生活をイメージしやすくなった。

●鳴瀬未来中学校 小野さくら教諭の話
小学校での指導は初めてで多少不安はありましたが、小学校から中学校への流れをイメージしてそれに合わせた指導を心掛けました。
東松島市では協同的な学びを重視しているので、音楽の授業でもグループでの活動を意図的に取り入れました。児童は、分からないところ、うまくできないところをグループ内で共有し、互いに教え合いながら活発に取り組んでいました。また、正しい発声を意識させることで二部合唱ではきれいな声を響かせることができました。中学校での三部合唱にも生きてくると思います。
これからも、6年生の担任の先生との情報交換を大切にしながら、子どもたちが主体的に音楽活動に取り組めるような授業づくりや、中学校入学を楽しみにできるような関わり方をしていきたいと思っています。

(3)夢広がるジョブ・カフェ
鳴瀬未来中学校では学校運営協議会の主催により、地域で様々な職業に従事している方々を学校にお招きし、話をお聞きしたり実際に仕事を体験したりすることで生徒の職業観を育むとともに、幅広い知識を得たり、その知識や思いを本行事後に実施する職場体験学習につなげ、生徒の将来の職業選択の一助とすることを目的として「ジョブ・カフェ」を平成28年度から実施しています。
令和5年度からは本校の1・2年生と共に、学区内の鳴瀬桜華小学校や宮野森小学校の6年生も参加し、各業種の皆さんから具体的な仕事の内容や仕事にかける思いをお聞きしたり、実際にその仕事を体験する機会をいただいています。
今年度は28団体からゲストティーチャーをお招きし、児童生徒は興味関心のある2つの業種を選択してお話をうかがいました。

問合せ:教育総務課教育指導係
【電話】内線1254