くらし 町長室から 郷里に響け

■「若い力が奏でる未来」
「丸森夢太鼓」が日本太鼓ジュニアコンクール宮城県大会で優勝し、大分県で開催される全国大会に出場する。全国大会を目指し、練習にひたすら励んだ成果であり、心から祝意を述べたい。子どもたちの頑張りに加え、指導者、そして家族の方々の心からの応援もあり、見事に花開いたと思う。
この1年、丸森夢太鼓の演奏を何度も目にした。イベントだけでなく、練習風景も見せてもらった。主な練習時間は夜。保護者が見守りながらの練習かと思いきや、子どもたちと指導者のみというやり方に少し驚きつつも、子どもたちが泣き言ひとついわず、一生懸命に演奏する姿は今も印象に残っている。
県大会の前に会った際には、優勝を目指すとの意気込みを聞き、練習の成果を披露してきて欲しいと激励をした。大会後、優勝の報告で「全国大会に行くことになりました」と話す姿は、何より輝いて見えた。
実は、丸森夢太鼓の子どもたちには「丸森町合併70周年記念式典」のオープニング映像に出演していただいた。合併当時から現在までを振り返りつつ、未来の丸森を考える内容で、子どもたちとのやり取りの中でどんな質問が飛んでくるのか、私の方が緊張の連続であったことを覚えている。しかし、あれからはどこで会っても声をかけてくれるようになり、新しい孫ができた感じさえした。
また、昨年12月に開催された「丸森竹灯り回廊」の会場でも太鼓の演奏を披露しており、冬の寒空にも関わらず、立派に演奏をしている姿から練習の成果が見え、私自身子どもたちの成長を嬉しく思った。2月の全国大会出場壮行演奏会では、大きな舞台で約200名の観衆を前にしても臆することのない、まっすぐな瞳とその演奏に心を揺さぶられた。数か月でこんなにも成長するのかと驚かされた瞬間だった。
全国大会は3月末。練習はまだまだ続くと思うが、健康に気を付けながら練習の成果を十分に発揮し、有終の美を飾って欲しい。
子どもたちが持つ力強さは、町にとって大変貴重な財産である。人口減少をはじめ、町が抱える問題を解決するためには若い力が必要であり、その力を本町の未来のために使ってくれることを願ってやまない。
丸森町長 保科郷雄