イベント 【特集】菖蒲田海水浴場オープン(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県七ヶ浜町
- 広報紙名 : 広報しちがはま 令和7年7月号
■快適な海をつくりたい。
7/12(土) → 8/24(日)
8/10(日) 花火大会
◎菖蒲田海水浴場のマスコットキャラクター
しおぶたくん「オアシス化した菖蒲田に来てね~!トントン拍子にいくといいなー。」
7月12日に海開きとなる菖蒲田海水浴場。1888年(明治21年)に東北初として開設されて今年で137年を迎えます。海水浴場は当初、海水浴(うみみつあみ)や潮湯治(しおとうじ)といわれ、海水に浸かって療養をする場所でした。
昭和に入り海水浴は、療養から涼を求めた家族連れなどのレジャーに変わり、時代とともに海の役割、楽しみ方が変わってきました。そして今、海水浴場は、猛暑の影響などで海水浴客が減り続ける一方です。
◆菖蒲田浜は、日本一なり
海水浴といえば、夏のレジャーというイメージがありますが、医学が今ほど発達していなかった時代に、西洋では「病気になったら海へ」というように、医学的な治療法の一つと考えられていました。日本でも、古くから「潮湯治」などと呼び、海に入る習慣がありました。
海水浴の読み方も「うみみつあみ」と読み、海水浴は、18世紀の中頃、イギリスの医師が「百病に効果あり」と海岸に患者を集めて海水に浸らせたのが始まりといわれています。海水浴が日本で一般的になったのは明治時代になってからでした。
当時、海水浴場として認められるためには、第一に自然環境の美しさ、第二に潮湯治のための滞在施設を備えている必要がありました。
このため、海水浴場南の眺望崎(母子像が立つ辺り)に療養施設「大東館(だいとうかん)」が建てられ、1888年に日本で3番目、東北初として菖蒲田海水浴場が開設されました。
当時、日本の海水浴の創始者の一人である陸軍軍医総監の松本順(まつもとじゅん)は、菖蒲田海水浴場について、日本三景の海に映えて美しく、遠浅で海底は砂に埋もれて小石も泥もなく、突出した岩や暗礁もないことなど、9項目を挙げ、「日本全国に良好なる海水浴場38カ所あるも、皆多少の欠点あり 独り この菖蒲田浜は完全適良誠に日本一なり」と絶賛しました。
大東館は「海水浴場旅館」や「浜の迎賓館」とも呼ばれ、いわば今でいうリゾートホテルのようでもありました。大東館周辺には、商店をはじめ、郵便局や診療所、旅館もあり、開館直後から大正時代にかけて大いににぎわいました。
宿泊客名簿には、皇族や政財界人をはじめ、土井晩翠、島崎藤村、宮沢賢治などの文化人も訪れています。
アクアリーナの中の海水を使った入浴施設「うみみつあみ」は、この大東館から着想され、歴史を今につないでいます。
菖蒲田海水浴場は、震災後、たくさんのボランティアの皆さんのご支援により、2017年に再開、実行委員会体制のもと、町観光協会が運営に関わっています。
会長の我妻典夫さんに伺いました。