くらし 国保税の税率改定を検討しています(1)

国民健康保険(国保)は病気やケガをしたときに、安心して医療を受けられるように支えあう医療保険制度です。
近年、町の国保財政は、被保険者数の減少により税収が減少し、そこに高齢化による医療費の増加も加わり、より深刻化しています。この状況は本町に限ったことではなく、全国的な課題でもあります。
町では、令和6年度に国保税率を改定した際、国保税納税者の負担を軽減するため、税率を抑制しました。しかし、被保険者や税収のさらなる減少により、将来にわたって国保財政の危機的な状況が続くことから、さらなる税率の改定を余儀なくされています。

【表1】被保険者数の推移
~今後はさらに減少が加速~
町の国保に加入している被保険者数は、10年前の平成27年度末には4684人でしたが、令和6年度末には、その約4分の1(△23%)にあたる1086人が減り、3598人になりました。
被保険者数が減少したのは、人口減少によるもののほか、次のことが考えられます。

(1)75歳になった時点で、国保から後期高齢者医療制度へ移行
(2)企業の定年延長と社会保険の小規模事業所への更なる適用拡大により、社会保険への移行者が増加

被保険者数は、社会情勢に影響されるものの、この減少傾向は今後も続くと思われます。
では、町の国保の被保険者数は、今後どのように推移するのでしょうか。令和9年度について推計した人数は、令和6年度の3598人から、さらに447人減の3151人となりました。
平成27年度末から10年間で、1086人減ったのに対し、令和7年度からのわずか3年間で、約4割に当たる447人が減り、減少が加速すると見込まれます。

【表2】税収納額の推移
~3年間で13%減、基金も枯渇の危機~
被保険者の減少は、国保税の税収にも影響します。7年前の税収は、平成30年度末で3億7724万円でしたが、令和6年度末には3億5637万円となりました。
令和6年度に税率改定し、7年前より減少幅を抑えることができたものの、令和9年度末には、13%にあたる4607万円減の3億1030万円になると試算されています。
2年前の広報しちがはま12月号でお知らせした時は、平成30年度末と令和4年度末の税収の減少率が10%であったのに対し、今回の平成30年度末と令和9年度末の比較では18%に広がっています。
令和6年度に税率を改正しても税収が追いついていかないのです。

【表3】財政調整基金残高の推移
~8年度には枯渇の見込み~
この状況を踏まえ、町では、財政調整基金を取り崩し、一般会計からの一時的な財政支援を行ってきましたが、財政調整基金を取り崩す以上に積み立てることができず、現在7298万円ある基金は、令和8年度には枯渇する見込みです。