- 発行日 :
- 自治体名 : 秋田県横手市
- 広報紙名 : 市報よこて 令和7年6月号
お医者さんが今伝えたいまめ知識
朝日ヶ丘レディースクリニック
樋口譲治 医師
■生理痛について
生理痛は、個人差はあるものの、多くの人が大なり小なり感じていることと思います。そして多くの人が生理痛を我慢して生活していることと思います。「生理は痛いのが当たり前だ」、「クリニックをわざわざ受診するのは大げさだ」と思っている人が多いのではないでしょうか。
生理痛が強いために、毎回のように鎮痛剤使用が必要な方は、子宮筋腫や子宮線筋症、子宮内膜症などの病気がある場合もありますので、産婦人科での診察をお勧めします。病気がなくても、毎回のように鎮痛剤使用が必要な方は、後から子宮内膜症を発症するケースが多いことが、統計上、知られています。
また、子宮内膜症は、不妊症との関連が深いため、そのような方は、低用量ピルやジエノゲスト(黄体ホルモン)などのホルモン治療を若いうちから始めるのがよいとされています。なお、経産婦さんで、生理痛が強く、長期的な避妊を希望する方については、子宮内避妊具であるミレーナ(LNG‐IUS『レボノルゲストレル放出子宮内システム』)を用いることもあります。子宮に1回入れると5年間そのまま挿入し続けることができます。低用量ピル、ジエノゲスト、ミレーナは、月経困難症で保険適応があります。
ホルモン剤というと悪いイメージを持つ方もいるとは思いますが、低用量ピルやジエノゲストは、排卵を抑制しますので、月経前症候群(PMS)にも効果が見込めることから、女性の強い味方となり、生活の質(QOL)を向上させる薬剤といえるでしょう。
横手市医師会HP
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