- 発行日 :
- 自治体名 : 秋田県横手市
- 広報紙名 : 市報よこて 令和7年7月号
条里プラタナス耳鼻科
高橋悦 医師
■咳(せき)について
咳は、気道内に入ってきた異物(ウイルス・細菌・ほこりなど)や、肺にたまった痰(たん)を排除するための体に備わった生体防御反応の一つとされています。
咳には、痰を伴うかどうかにより、二つのタイプに分けられます。痰を伴う湿性の咳には、風邪や肺炎などの感染症が多いとされていますが、後鼻漏(こうびろう)や副鼻腔(ふくびくう)気管支症候群などが原因になる場合もあります。痰を伴わない乾性の咳には、気管支喘息(ぜんそく)・咳喘息・慢性閉塞性肺疾患などがあります。
昨今、新型コロナウイルス感染症の後遺症である全身倦怠(けんたい)感や嗅覚・味覚障害は、しばしば耳にする機会が多いと思いますが、感染者の20~30%の人においては、咳や痰などの後遺症が出現するそうです。この咳は、時間の経過とともに改善していきますが、逆に病状の経過が悪化して、色のついた鼻水が多くなる場合や、耳痛(じつう)とともに難聴を自覚する方を見かけることがあります。これは新型コロナウイルスに感染した結果、免疫力の低下が生じ、二次的な細菌感染の可能性がありますので、治療が必要となります。
咳が止まらず、すぐに病院に行けないときは、
『(1)室内の加湿』、
『(2)温かい飲み物を飲む』、
『(3)特に冬期間は首にマフラーやタオルなどを巻き気道を温める』
と咳が減りますので、試すのも良いかもしれません。しかし、2週間以上の長引く咳が続いた場合は、風邪以外の病気であることもありますので、最寄りの医療機関に相談してみてください。
横手市医師会HP
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