くらし 市議会9月定例会 行政報告

市議会9月定例会が8月25日に開会し、石田市長が行政報告を行いました。
その中から、主なものの要旨をお知らせします。

■大雨による被害の状況
8月19日から21日未明にかけて、東北北部に停滞した前線に暖かく湿った空気が流れ込んだため、県内は広い範囲で大雨となりました。
市では、大雨警報が発表された20日午前6時25分から警戒に当たり、同日午前11時10分に土砂災害警戒情報が発表されたことから、災害警戒対策室を直ちに設置しました。
その後、河川の増水や土砂崩れ発生の懸念が高まり、道路の冠水などが確認されたことから、午後5時に中央公民館に自主避難所を開設し、12人が避難しました。
強い雨は断続的に降り続き、アメダス大館観測所では、20日の24時間降水量が201ミリメートルを超え、同地点での観測史上最大となる記録的な雨量となりました。
河川の状況は、下内川が水防団待機水位に、米代川および長木川が氾濫注意水位に、犀川は避難判断水位に到達しましたが、それ以上の増水はなく、21日午後には全ての水防警報が解除されました。
本市の被害状況は、8月21日までに判明した分で、住家の床下浸水が8棟、車庫等の非住家の浸水が3棟、市道などの路肩崩落が9カ所、河川の護岸欠損等が4カ所、農道および林道の路肩崩落等が27カ所、水田の法面崩落が2カ所、農地の冠水が約86ヘクタールとなっており、現在、引き続き情報収集と被害額の調査を進めているところです。
人的被害が出なかったことが何よりであり、関係機関の活動とご協力に深く感謝申し上げます。市では、被災された方々が一日も早く以前の生活に戻れるよう、復旧に向けて取り組みます。

■大館市公式LINEアカウントの運用開始
市では、行政サービスやイベント情報、地域の魅力などに関するさまざまな情報を市内外に広く発信するため、8月1日から公式LINEアカウントの運用を開始しました。
友だち登録の際に設定していただいた「希望する情報」のほか、年齢層や性別、居住地域などの属性に合わせ、利用者が受け取りたい情報をプッシュ型で配信しています。
これまでに、災害や防災などの緊急性の高い情報のほか、健康や学びなどの市民向けの情報、観光や移住など市外のかたにも届けたい情報、入札のお知らせなどを配信しており、今後は、農林業、商工業など、事業者向けの情報の発信も想定しています。
また、「登録・証明」「結婚・出産・子育て」などのメニューから、市ホームページ上にある確認したい情報へ簡単にアクセスできるほか、会話形式で質問に答えるAIチャットボット機能も搭載しています。
登録者数は、運用を開始した当日に1000人を超え、8月20日時点で約3400人となっています。
また、8割以上が市内在住のかたで、40代以上が約6割、30代以下が2割ほどとなっています。
若い世代の登録者を増やすため、8月15日に開催された20歳を祝う会の会場においてPRを行ったところであり、今後は、皆様の「知らなかった」を減らすため、随時内容の充実、見直しを図りながら、きめ細かくタイムリーな情報発信に活用します。

■東京2025デフリンピック応援イベント
11月に開催される「東京2025デフリンピック」を前に、障害への理解を深めるとともに、デフスポーツに関心を持ってもらうため、本市の「心のバリアフリー推進事業」の一環として応援イベントを開催しました。
これまで、桂城小学校の児童を対象に、手話教室やデフバスケットボールの体験会を実施したほか、デフリンピック開催地である渋谷区の協力のもと、市役所本庁舎の交流モールに大会応援コーナーを開設し、啓発活動を行いました。
8月2日には、タクミアリーナにおいて、秋田市在住のデフバスケットボール日本代表チームリーダーの石川友正(ともまさ)氏ら3人を講師に体験会を開催し、120人に参加いただきました。手話での講演会もあり、障害への理解を深める貴重な機会となりました。
また、市では、聴覚等に障害があるかたへの支援として、市役所等へ気軽に問い合わせができるよう、通訳オペレーターによる代理電話支援サービスを8月1日から開始しました。
これらの取り組みを通じ、今後も、先導的共生社会ホストタウンとして、障害の有無に関わらず、誰もが暮らしやすいまちづくりを進めます。

■農作物の生育状況
基幹作物の水稲については、平年より5日早い7月28日に出穂盛期を迎えましたが、高温や渇水の影響により、いもち病が例年よりも多く確認されているほか、カメムシ類が多発していることから、警戒と防除の徹底を呼びかけます。
市重点戦略作物のうちネギや枝豆、キュウリ、スイカについては、一部のほ場で渇水の影響により品質や収量の低下、とんぶりについては枯死がみられました。収穫を終えたニンニクについては、平年並みの収量となっております。
リンゴやナシについては、結実量は確保されたものの、高温小雨の影響により小玉傾向となっています。
これから本格的な収穫期を迎えるに当たり、今後も高温傾向が続くことが予想されておりますので、引き続き気象状況を注視しながら、JA等の関係機関と連携して適切な農作物の管理を促します。

■有害鳥獣による被害状況と対応
クマについては、8月20日現在、出没報告が294件で昨年同時期の2.5倍、捕獲は124頭と昨年同時期の2.3倍で、いずれも過去最多となっております。農作物等の被害が21件あったほか、人身被害も2件発生しました。人身被害防止のため、対策を強化している中でありましたが、改めて注意を呼び掛けます。
7月25日には、ツキノワグマの市街地での出没に対応するための訓練を比内町除雪ステーションにおいて実施しました。建物内へ入り込んだ状況を想定したもので、県自然保護課や大館警察署、市鳥獣被害対策実施隊などが参加し、建物内での個体確認、箱罠の設置等を迅速かつ円滑に行うことができるよう、初動対応や各機関の役割、手順を改めて確認したところです。
また、人の生活圏とクマの生息域を分ける緩衝帯の整備を川口、早口両地内において実施したほか、8月20日現在、誘引樹木を伐採する補助制度に35件、電気柵の設置に係る補助制度に6件の申請をいただいています。
イノシシについては、8月20日現在、出没報告が21件で昨年同時期に比べ約2割減少しているものの、捕獲数は18頭で昨年と同程度であり、農作物等の被害は17件発生しています。
今後、農作物の収穫盛期を迎え、野生動物の行動がより活発になること、さらに今年はブナの実が大凶作と予測されており、クマの人里への出没の増加が懸念されることから、出没情報を迅速に発信するなど一層の注意喚起を行い、被害の未然防止に努めます。

■そのほかの報告
・令和6年度の市税等の収納状況と未収債権対策
・大館市エコフェア
・中国人殉難者慰霊式
・雇用対策の状況
・大館能代空港の利用状況
・渋谷との交流事業
・夏の観光イベント
・台湾トップセールス
・夏のスポーツイベント
・秋田県北部地域の基盤整備を促進する夏期要望活動
・常陸大宮市との教育交流
・大館市20歳を祝う会
・熱中症による救急搬送の状況