- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県山形市
- 広報紙名 : 広報やまがた 令和7年3月1日号
▼「夜間頻尿と生活習慣」
山形市立病院 済生館泌尿器科 加藤智幸
夜間頻尿は、夜間の就寝中に1回以上起きなければならない状態を指します。加齢とともに増加し、50歳以上では男女とも60%以上の方が該当します。夜間頻尿になると生活の質が低下するだけでなく、転倒による骨折リスクも高くなると言われています。これまで単なる老化現象とされてきましたが、最近では生活習慣病(肥満、高血圧、糖尿病など)との関連が分かってきました。
夜間頻尿の原因には次の3つがあげられます。
(1)夜間多尿:加齢とともに夜間の抗利尿ホルモンの分泌が減少し、夜の尿量が増えてしまいます。
(2)膀胱(ぼうこう)容量の減少:過活動膀胱や前立腺肥大症などの疾患により起こる場合があります。
(3)睡眠障害:加齢とともに睡眠が浅くなり、就寝中に尿意を感じやすく排尿のために起きることになります。
夜間頻尿の対策には次のような日常生活の改善が重要です。
(1)夕方以降の水分摂取を控える。
(2)夕方の散歩やスクワットなどの運動をする。
(3)日中に日光を浴びたり、長時間の昼寝を避けたりして生活リズムを整える。
(4)減塩する。
(5)体が冷えないようにする。
夜間頻尿が気になる方は、まず生活習慣を見直してみましょう。