イベント 創業という選択~思いをかなえるために・同じ悩みを持つ人のために~(1)
- 1/28
- 次の記事
- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県山形市
- 広報紙名 : 広報やまがた 令和7年5月1日号
山形市では、起業を志す方の模範となる優れた起業家を表彰し、起業や創業の時代の流れを生み出し、チャレンジを後押しする風土を創るために、山形市創業アワードを開催しています。
今回は、「山形市創業アワード2024」で最優秀賞、審査員特別賞を受賞した方に創業した思いなどを伺いました。
▼三浦拳さん(Brand new day株式会社)
2021年4月、「戦わずして勝つブランドづくり」を理念に掲げ、企業のブランド戦略づくりを支援するBrand new day株式会社を創業しました。起業のきっかけは、家業の整体・マッサージ・エステ店での経験です。「技術は県内一なのに売り上げが伸びない」という父の悩みに触れ、価値を適切に伝えることの必要性を痛感。ウェブサイトなどを活用したブランディングの力でその課題を解決し、売り上げを大きく増やした経験が、現在の事業の原点となっています。
▽起業するに当たり大事にしたこと
多くの中小企業は、人材や資金など資源が限られていて、価格やスペックで大手企業に勝つことが難しいのが現状です。
そこで重要になってくるのがブランディングです。私は「唯一無二の存在」になることで、価格ではなく価値で選ばれるブランドづくりが地方企業にとって最適だと考えています。まさに「戦わずして勝つ」。この究極の状況を目指していくことが私たち地方企業に必要な考え方ではないかとの思いから、地元企業の価値を再発見し発信するために創業しました。
▽事業の強みや取り組んでいること
私たちは経営者の思いや理念の言語化から、戦略立案、デザイン制作、実行支援まで一貫して伴走し、企業の隠れた価値を見える化することを得意としています。
企業のブランディングを通じて採用課題を解決したケースとしては、製造業の事業者の社名変更やロゴ、ウェブサイト、ユニホームなど全体的なリブランディングを実施し、採用応募数年間0件から、半年で200件(採用8人達成)を超える応募につながる成果を上げました。また、お店の魅力を再定義して集客力を高めたケースとしては、飲食店のコンセプトからビジュアル、メニューまでをリニューアルし、売り上げを2倍に増やすなど、それぞれの企業の強みを生かした成果を生み出しています。
地域貢献にも力を入れ、隔月開催の講座「山形ブランディング思考」では地域企業の成功事例を共有。就活イベント「チルなシューカツ」の開催や、「やまがたAI部」事務局としての活動も行い、若者と地元企業の橋渡し役も担っています。
▽今後の展望
山形に限らず地方には共通の課題がたくさんあります。これからはこのブランディングのノウハウを日本全国の地方のために活用していきたいと考えています。
また、現在プロデュースしているアイドルグループ「anew(アニュー)」の活動を通じて山形の魅力を発信し、多くの人を山形に呼び込む新しい流れもつくっていきたいと思っています。
「越境」をキーワードに、山形の企業がもっと外に価値を発信できるよう、これからも伴走し続けます。