- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県新庄市
- 広報紙名 : 広報しんじょう 令和7年8月号
■新庄まつり270年祭
今年は新庄まつり270年の節目の年です。宝暦6年(1756年)から始まった新庄まつりは、戦争や新型コロナウイルス感染症、豪雨災害などさまざまな危機を乗り越え、現在の祭りへとつながっています。
今号では、山車製作や囃子練習に取り組む若連の方々をはじめとした関係者の、新庄まつりに対する思いを紹介するとともに、今年度の新庄まつり270年祭記念イベントなどを含めた、行事日程をご紹介します。
■新庄まつり 270年祭への思い
新庄まつりは、藩政時代の宝暦6年(1756年)、新庄藩主戸沢正諶(まさのぶ)公が、前年の大凶作でうちひしがれている領民に活気と希望を持たせ、豊作を祈願するために、戸沢家の氏神である城内天満宮の「新祭」を領民をあげて行ったのが起源とされています。270年の歴史を持つ新庄まつりは、戦争や感染症の流行などで中止を余儀なくされながらも、時代に合わせ変化しながら受け継がれています。今回は、そんな新庄まつりに携わる方々から270年祭に対する思いをお聞きしました。
●神輿渡御行列
私は岩手県出身で、神輿渡御行列の馬の産地である遠野が父の実家です。以前から、新庄まつりについては知っていましたが、令和4年に「氏子青年会」が発足してから本格的に関わるようになりました。神輿渡御行列について、日々学びが多く、非常に興味深く携わらせてもらっていfます。今年は新庄まつり270年、新庄開府400年、そして新庄天満宮創建400年の3つが重なる年なので、とても身が引き締まる気持ちです。
近年の人口減少に伴い、祭りに携わる方が少なくなっていると感じていました。神輿渡御行列でも、お神輿の担ぎ手の減少により、台車でお神輿を運ぶ場面がありました。氏子青年会が発足した翌年から、神輿渡御行列でのお神輿は始めから最後まで、台車を用いずに人の手で担ぐことができています。ここ10年ではなかったことだと思います。
また、新庄まつりの起源は戸澤神社・天満神社・護国神社のお祭りです。270年の節目となることをきっかけとして、ぜひ神輿渡御行列をご覧いただきたいと思っています。
氏子青年会 事務局長 大橋 史広(ふみひろ)さん
●山車
昔と比べて山車も豪華になっている中で、自分たちの若連の色をいかに出すか、より良く見えるように作るためにはどうしたらよいか悩みつつ、先輩たちよりさらに良いものを作っていきたいという思いで取り組んでいます。
また、近年はなかなか若連に新しい人が入ってこないので、毎年山車製作に参加する人数が少ない状況です。その分製作に参加している一人一人が責任感をもって製作しています。今後は一緒に山車製作をしてくれる仲間を増やしていければと思っています。
上茶屋町若連の今年の題目は、新庄まつり270年かつ新庄開府400年ということもあり、新庄が出てくる話「羽州ぼろ鳶組~鬼煙管(オニキセル)~」に決めました。今村翔吾先生が執筆した「羽州ぼろ鳶組」シリーズは今年から漫画の連載が始まり、来年はアニメ化を予定しています。小説の世界をどうやって豪華できれいに見せるかということに力を入れています。
山車がどう出来上がるかは当日のお楽しみですが、来てもらった方には、市内の各町内が競い合って製作した山車を楽しんでもらいたいです。
上茶屋町若連代表 森 智子(ともこ)さん
●囃子
新庄まつりに向けて、和気あいあいとした雰囲気で、大人から子供まで一緒に楽しく囃子の練習をしています。角沢囃子若連では、毎年8月から夜の練習を始め、日曜日以外は毎日練習をしています。個人で自主練習に取り組み、全体の練習で音合わせを行いますが、演奏で分からない部分がある人や、新しく若連に加入した人には、全体練習とは別に個別での練習も行っています。
新型コロナの影響で新庄まつりが中止となった時には、「山車は出さないけれども囃子の演奏で、新庄まつりの雰囲気を味わってほしい」との思いで、山車小屋前で予告なしの演奏をしました。当時はさまざまな制限があり暗い雰囲気もありましたが、囃子の披露に対して皆さんからたくさんの明るい声援と笑顔をいただき、若連一同演奏して本当に良かったと感じました。
270年という長い歴史のある新庄まつりの伝統は、私たちにとって、なくてはならない祭典であり、今後も守り続けていかなければならないものだと思います。これからも市民だけでなく、観光客や帰省してきた方にも楽しんでもらえるように取り組んでいきます。
角沢囃子若連代表 淀川秀人(ひでと)さん
《新庄まつりの歴史を振り返る》
・宝暦5年(1755年)冷害による凶作で飢饉が新庄藩を襲う
・宝暦6年(1756年)戸沢正諶(まさのぶ)が、領民の再起を願い城内天満宮の祭礼を始める
・安永5年(1776年)記録上で、山車が初めて登場
・慶応4年(1868年)戊辰戦争で城下は焼け野原に
・昭和12年(1937年)盧溝橋事件(日中戦争の発端)発生。それを考慮し、城内天満宮祭礼中止
・昭和15年(1940年)国中が戦時色一色となる中、皇紀2600年であるため、神輿渡御のみ行われる
・昭和16年(1941年)太平洋戦争勃発。山車運行・神輿渡御を中止し、平祭りを実施
・昭和17年(1942年)大豊作のため、久しぶりに神輿渡御とともに山車が運行。約5万人の人出でにぎわう
・昭和18年(1943年)〜昭和20年(1945年)戦争の激化でまつりが中止に
・昭和21年(1946年)戦後初の山車として、沖の町の山車「羽衣」のみが運行
・昭和58年(1983年)ふるさと歴史センター開館、2台の山車が常設展示となる
・平成6年(1994年)「新庄まつり行列」が市の無形民俗文化財に指定される
・平成9年(1997年)史上初めて8月25日も宵まつり行列実施
・平成11年(1999年)山形新幹線が新庄延伸開業。宵まつりが16年ぶりに雨で中止。25日夜各町内自主参加による山車パレード実施。「ゆめりあ」が開館し、山車1台の常設展示を開始
・平成17年(2005年)新庄まつり250年祭開催。史上初めて8月24日から27日までの4日間まつりを開催。金山町の山車1台が特別参加。大阪「御堂筋パレード」に参加(上金澤町若連・仁間囃子若連)
・平成21年(2009年)3月11日、新庄まつり山車行事が国の重要無形民俗文化財に指定
・平成27年(2015年)新庄まつり260年を記念し、8月25日も宵まつり行列を運行
・平成28年(2016年)新庄まつりが国内32の『山・鉾・屋台行事』とともにユネスコ無形文化遺産に登録される
・令和2年(2020年)新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により、まつり全日程が戦後初の中止に
・令和4年(2022年)18台の山車が参加し3年ぶりに通常開催される。新庄開府400年のプレイベントとして「新庄まつりin巣鴨」に参加(川西町若連、上茶屋町若連)
・令和6年(2024年)5年ぶりに20台の山車が出そろう。7月豪雨災害によって甚大な被害が生じたものの、困難を乗り越え多くの方に勇気と希望を届けた
・令和7年(2025年)新庄まつり270年祭開催
《新庄まつり有料観覧席を販売中!》
予約受付:~8月22日(金) 午前9時~午後4時(平日のみ、8月13日(水)〜14日(木)を除く)
※予約専用電話へご連絡ください。
※8月25日(月)は全席無料です。
場所:新庄駅前ふれあい広場アビエス
座席について、詳しくはホームページをご覧ください。
※二次元コードは本紙をご覧ください。
日時:8月24日(日) 午後7時~、25日(月) 午前10時~
受付専用電話:【電話】0233-23-7890
《先着800名に特別グッズをプレゼント!》
8月25日の本まつりで、アビエス特設会場にお越しいただいた方先着800名に新庄まつり270年記念グッズをプレゼントします!ぜひご来場ください!
問合せ:
新庄まつり実行委員会(新庄商工会議所内) 【電話】22-6855
市商工観光課 【電話】29-5848
新庄観光協会 【電話】22-2340