- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県新庄市
- 広報紙名 : 広報しんじょう 令和7年9月号
今年で36回目となる「区長と市長のまちづくり会議」を、7月30日(水)~31日(木)に、5つの中学校区ごとに開催しました。
本市の将来像について、さまざまな視点で活発な意見交換が行われ、地域活動を通じた身近な課題に対する意見も挙がりました。今回は、その一部を紹介します。
■新庄開府400年記念事業を活かしたまちづくりについて
○区長
新庄開府400年に当たり、市主催や民間の提案による事業などの各種記念事業が企画されているが、これらが一過性の事業ではなく継続性のある事業につながっていくような、アイデアに富んだ取り組みを期待したい。
また、最上公園は市のシンボルといえる場所なので、この400年記念事業を契機としてさらに注目が集まると思う。観光客や地域住民から広く親しまれる公園となるような環境整備を期待する。
○市長
これまでの歴史や文化、まちづくりを振り返り、郷土への愛着と誇りを高めながら未来につなげていくため、「新庄開府400年記念事業」を実施していて、「市民提案事業」については31件を採択し、事業の周知・広報に努めています。
今後、今回の市民提案事業を契機として、それぞれの事業を結ぶネットワークの構築や、事業の開催者が集うワークショップの開催など、継続性のある事業となるように検討してまいります。
また、市は令和5年に歴史的風致維持向上計画の認定を受け、最上公園を中心に整備を進めています。老朽化した施設の整備はもちろん、「行ってみたい」「過ごしやすい」など、観光客や地域住民から広く親しまれる公園を目指して整備していく予定です。整備の内容としては、社務所前の舗装や土橋欄らんかん干などの整備、トイレの統廃合などを行っていきます。また、第二期計画では心字池の再整備を予定しています。
■東北農林専門職大学と連携した地域振興について
○区長
東北農林専門職大学ができたことを活かし、農業に興味のある方に移住してもらう、農業の良さを積極的に発信して人口を増やすなど、大学を活用して移住者が市に定着してもらう施策を検討してほしい。
○市長
本年2月に東北農林専門職大学、株式会社南東北クボタの3者間で連携協力に関する協定を締結し、農業技術に関する研究開発のほか、次世代の農林業を担う人材の育成・定着に関することや、地域との連携を掲げ、さまざまな取り組みを進めています。
開学から2年目となり、地域の生産現場での実習も始まり、地元の生産者との交流も広がってきています。学生の卒業後の本市への定着については、国、県の制度を活用しながら新規就農者への支援を実施しているところですが、市としても新たな支援制度の創設に向けて検討を行いながら、卒業を迎える学生が就農しやすい環境づくりに取り組んでまいります。
また、地域の生産現場はもちろんのこと、農林業関連の団体や企業など、農林業経営に関わる幅広い分野で受け皿を整備していく必要があると考えています。今後も大学と地域の連携により、農業振興の取り組みだけでなく本市の暮らしや文化などについても広く発信し、移住・定住につなげられる施策についても検討してまいります。
■若者のためのまちづくりについて・駅前など市中心部の活性化について
○区長
新庄志誠館高校の新校舎整備地として、新庄南高跡地が正式に発表された。駅に近いまちなかに新校舎ができることは、市を活性化していくチャンスである。新庄市は公共機能がまちなかに集中しているので、学生のためのまちづくりを「基本理念」として、徹底的なコンパクトシティ化を進めるべきだと思う。
駅と学校を結ぶまちなかは、学生のための有意義な居場所にならなければいけない。10年後、20年後、新庄志誠館高校で学びたいという子どもたちが大勢集まるような施策を講じてほしい。
○市長
市は令和7年3月に「立地適正化計画」を策定し、人口密度を維持することにより生活サービスやコミュニティを持続的に確保していく地域として「居住誘導区域」を定めています。さらにその中でも、医療・福祉・商業などの都市機能を市の中心拠点に誘導・集約することで各種サービスを効率的に提供し、市全体が持続していくために必要な拠点を形成していく地域として「都市機能誘導区域」を定め、新しい時代の要請に対応するコンパクトな都市づくりを目指していくこととしています。
今後この計画を実行していくために、既存インフラや空き家・空き店舗の利活用を推進することや、施設の有効活用や集約化・複合化に向けた検討を進めていく予定です。これらの施策を着実に実行することにより、中心市街地の魅力向上や賑わいの創出を目指してまいります。
なお、昨年度より新庄駅前通り商店会の皆さまと駅前通りの活性化に向けた協議を進めていますが、その中でも学生が滞留できるような駅前通りを目指したいとのご意向をいただいていますので、地域の皆さまとともに市街地の魅力向上に努めてまいります。
■市が保有する個人情報などの共有について
○区長
町内会と民生委員活動での情報の共有と協働の必要性を感じている。個人情報の取り扱いの観点から難しいとは思うが、情報を共有し協働することで、災害時にはかなり効率的な活動ができるようになると思う。
○市長
町内会において、地区の世帯の構成員を把握することで災害時の対応などに有益であると考えていますが、個人情報の保護に関する法律に基づき、個人情報の提供に関しては厳格に規制が定められていて、本人の承諾なく提供できないものとなっています。民生委員には、業務に必要とされる範囲で高齢者のみの世帯などの要支援者についてのみ、情報を提供しています。
実際、本人の承諾を得た上で世帯表を整備している町内会もありますので、そのような事例も参考にしながら、民生委員や自主防災組織と連携し、町内会として情報を整備していただければと考えます。
近年、区長をはじめとした地域づくりの担い手の高齢化が進んでいて、現在の代表者が退任した後は後継者がいないという地区も増えてきています。区長と民生委員などを兼務する方も増えてきていて、地域のためにがんばっている方の負担が年々大きくなってきています。このままでは町内行事の縮小や地域防災の停滞など、地域の活力そのものが失われかねません。こうした担い手不足に対応するため、現在の新庄市に合った「地域づくり」を真剣に検討していく必要があります。
市と市区長協議会が協働し、持続可能な地域づくりが行えるよう取り組みを進めてまいります。
◎詳しくは、総合政策課広報・地域づくり係へ。
【電話】22-2117