子育て ひと・夢・まち 町長コラム

■学校給食とお箸について思うこと…
「中山町の給食は美味しいね」という嬉しい言葉を耳にすることが時々あります。私は毎年、小・中学校の最終学年全クラスの子どもたちと、この美味しい給食を共にしています。とても貴重な楽しい時間で、子どもたちの好奇心や純粋な反応に触れることができ、心が温まるひとときです。
学校給食は、明治22年(1889年)山形県鶴岡町(現鶴岡市)の小学校で貧困家庭の児童を対象に行われたことが始まりとされています。国会では学校給食無償化が議論されていますが、我が町では完全給食無償化が実施されており、10年前からは温かいご飯の提供も行っています。
このような中で「お箸」だけは家庭から持参していただいています。お箸は、私たちの生活に深く根ざした文化的な道具であり、食と家庭をつなぐ命の架け橋だと思うのです。箸の持ち方の礼儀から始まり、「いただきます」「ごちそうさま」の言葉で食材や料理を作ってくださった方に感謝し、家庭でも学校でも温かいコミュニケーションを助けてくれる大切な「お箸」なのです。
先月、中央公民館にて東京藝術大学名誉教授の三田村有純先生を講師に招いての箸作りが催されました。先生は漆芸家であり、旧柏倉九左衛門家に伝わる漆器類の歴史的価値を検証していただいている方でもあります。参加された方々は、生竹で成形された箸(各人に合ったサイズ/一咫(ひとあた))に着色し、先端には漆塗りが施されているマイ箸作りを楽しみながら、食とお箸の大切さを学んでいました。日本には、素晴らしい食文化があると改めて思うのです。
中山町長 佐藤俊晴