文化 I♥(アイラブ)中山Vol.102

■町の魅力を再発見!
中山町には、魅力的な場所やもっと知ってほしい良いモノなどがたくさんあります。
このコーナーでは、そんな町の魅力をお知らせしていきます。

■江戸時代からの遺産柳沢が誇る算額
算額とは、額や絵馬に和算の問題とその解法を記して神社などに奉納したもので、町内では柳沢地区の石子神社と御嶽神社に奉納されています。石子神社には江戸時代の嘉永5年6月に、大津忠次郎、志田金五郎、鎌上久蔵によって奉納され、御嶽神社には明治23年3月、志田金助、今野泰吉、鎌田甚太郎によって奉納された算額があり、図形の長さを求める問題やつるかめ算の問題が収められています。
柳沢地区では、これらの算額や神社の天井絵などの貴重な文化遺産について理解を深め、その存在を後世に伝えることを目的に、柳沢算額会(鈴木憲一会長)による活動が行われています。同会は両神社の算額を複製し保存活用するほか、和算への理解と算額への親しみを持ってもらうため、親子和算教室などを開催しています。また、地区の子どもたちが、算数が好きになれますようにと願いを込めた絵馬を神社に奉納する取り組みを行っています。
6月1日には、早稲田大学高等研究所で算額の研究をしているアントニア・カライスル博士が両神社を訪れ調査を行いました。カライスル博士は日本全国の算額を世界に紹介するプロジェクトを進めており、今回は中山の算額に注目されたとのことです。当日は柳沢算額会のメンバーや、宮城教育大学名誉教授で山形県和算研究会員の萬伸介先生、仙台高等専門学校の徳竹亜紀子先生ら専門家が参加し、算額の撮影や県および町の算額に関する意見交換が行われました。
鈴木憲一会長は「柳沢だけに算額が残っていることは誇りです。先人たちの学びの証を後世へしっかり伝えていきたい」と話していました。