- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県朝日町
- 広報紙名 : 広報あさひまち 令和7年7月号
―町全体が博物館 朝日町エコミュージアム―
■第27回 大日堂(だいにちどう)(太郎第一)
所在地:太郎集落の南、上(うえ)の山と呼ばれる高台の地にある
本堂の内陣(ないじん)にある棟札(むなふだ)によると、造立(ぞうりゅう)は享保(きょうほう)15年(1730)で、別当(べっとう)は祥光院(しょうこういん)、入仏導師(にゅうふつどうし)は本山巣林寺(ほんざんすりんじ)とあります。巣林寺は尾花沢(おばなざわ)市丹生(にう)にあり、太郎祥光院の本山になります。
御本尊(ごほんぞん)は大日如来像(だいにちにょらいぞう)ですが、大日如来は密教(みっきょう)世界の中心に存在する最高の仏で、絶対的な存在とされており、本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)によれば、大日如来は日本に渡って来て天照大神(あまてらすおおみかみ)に転身(てんしん)したともされています。また、太郎の大日如来尊は湯殿山系統(ゆどのさんけいとう)と見られ、宝冠(ほうかん)は金色で理(ことわり)を司(つかさど)る胎蔵界(たいぞうかい)の如来像と考えられています。
◇ウサヒのゆるっと解説
本堂に掲(かか)げてある「太郎村春耕(しゅんこう)行事図絵馬(えま)」は、安政(あんせい)3年(1856)地方の絵師東宮齊龍峰(とうぐうさいりゅうほう)が描(えが)いたもので、昔の太郎村の風景(ふうけい)と春の農耕作業や行事の様子が生き生きと分かることから、民俗資料(みんぞくしりょう)として町の文化財に指定されているんだよ。