子育て 〔特集2〕次の100年を拓く 教育の “羅針盤(コンパス)“(2)

◆重点分野(2) 誰一人取り残されない学びの推進
~立ち止まってもいい。ゆっくり、焦らず~
さまざまな理由で学校に行けなかったり、個性に応じた支援が必要だったり、そして海外から来ていたりと、一人ひとりの背景や環境はさまざま。きめ細やかで手厚いサポートを行い、全ての子どもたちが、「学ぶって楽しい」を実感できる取り組みを進めます。

○一歩一歩あなたのペースで “学びたい”をサポートします
学校に行けない子どもたちに対しては、全市立学校にスクールカウンセラーを配置し、気軽に相談ができる環境づくりを進めます。一部の学校に設置している校内教育支援センター(サポートルームなど)やふれあい学級(※下記参照)においても、保護者と一緒に子どもたちの成長の過程を見守るなど、支援体制を強化していきます。
また、海外から来た子どもたちへのサポートを充実させ、学校だけでなく市全体で、文化の違いを理解し合える機会をつくります。

・サポートルーム
自分の教室に入ることに不安を抱えている子どもたちが、自分のペースで学習・生活できる落ち着いた環境を校内に設け、一人ひとりに寄り添った居場所づくりを進めています。

・ふれあい学級(ニコニコこども館5階)
学校に行けない子どもたちの居場所として、子どもたちからの相談や学習の支援、体験活動などさまざまな支援を充実させます。

問合せ:同学級
【電話】933-8081

○Interview
〔世界から来た子どもたちの声〕
・大槻小学校3年 ワットワラットさん(タイ出身)
日本に来て1年。まだ日本語は苦手だけど、相談員さんのおかげで学校が楽しいです!友達と遊ぶのもだいすき!
・行健第二小学校6年 アブドゥッラさん(パキスタン出身)
最初は言葉が全然分からなくて、友達ができるか不安だったけど、たくさんの友達ができました!もう日本にも慣れたよ!
・芳山小学校2年 ヴァシリさん(ロシア出身)
1年生の時は、タブレットの翻訳機能を使ってあいさつしかできなかったけど、今はもう大丈夫!授業の内容もだいたい分かるし、学校が楽しいよ♪

〔サポートする先生の声〕
・外国人児童生徒等教育相談員(ウルドゥー語) 藤岡 裕子さん
子どもも大人も「自分たち」と違うと線を引くのではなく、お互いに自分から歩み寄る意識を持つことが大切です。違いを理解し合うことで、お互いの距離を縮めることにつながると思います。
私が、子どもたちと接する際に大切にしていることは、根気強く向き合うこと。慣れない勉強に「疲れた」「今やりたくない」と投げ出してしまうこともあります。そんな時は、「これだけ一緒にやってみよう」と少しでも達成感が持てるような声掛けを意識しています。
相談員として、子どもたちをサポートできる時間は少ないと感じています。今以上に支援を必要とする子どもたちに手厚いサポートができる時間が取れたらいいですね。

◆重点分野(3) 新たな課題に即応した環境づくり
~社会とともに変化する教育現場の今~
子どもたちのウェルビーイングを高めるためには、先生の働き方改革を加速させる取り組みも必要です。ICTを生かした授業や教育データの利活用など、時代に対応した”学び”のDXをさらに進めます。

○教育現場をアップデート 学びのDXと働き方改革!
タブレットの導入や学習支援ツールなどを活用して、個人に合った学びを充実させながら、オンライン授業やICTを生かした新しい学習指導を取り入れます。DXを推進することで、子どもたち一人ひとりに向き合う時間を確保し、より質の高い教育を目指します。
また、校内業務のDXや教育研修のオンライン化、部活動の地域連携・地域移行を図り、働き方改革を進めます。先生が働きがいを感じられる環境づくりを行い、学校全体のウェルビーイングを高めます。

・湖南小中学校 教頭 遊佐 智則先生
学校単位での部活動から、地域での活動へと展開する動きが進んでいます。この部活動地域展開のモデル事業として、陸上競技の指導に携わっています。参加する中学生からは、「専門的な知識を持ったコーチから指導を受けられてためになる」といったポジティブな意見が聞こえてきます。また、指導者の参加を希望制にすることで、先生が計画的に休暇を取りやすくなるなど働き方にも変化が生まれてきています。
学校だけでは部活動の継続が困難となっている今、地域の方が自分の知識や指導力を生かしたり、活動資金を援助したりするなど、多様な形で子どもたちの活動の場を守っていくことが必要になってきています。

○ワクワク広がる、学びが未来を切り拓く。
・郡山市教育委員会 教育長 小野 義明
4月から新たにスタートするこの計画は、次の100年を見据えた本市の教育の方向を示す羅針盤です。子どもたちや若者に郡山をもっと好きになってもらえるような教育を進め、自分たちが将来の郡山を創っていくんだと感じられる機会を増やしていきます。
また、こうした「人づくり」が教育の本質ではないでしょうか。人づくりがまちづくりにつながり、さらには社会全体のウェルビーイングの向上につながります。社会や環境が移り変わる中でも、一人ひとりの「学びたい」という思いを大切にし、多様なニーズに応じた教育の充実を図っていきます。

問合せ:教育委員会総務課
【電話】924-2421