くらし 〔特集1〕手話でつながるこおりやま(1)

皆さんは、耳の聞こえない人に会ったことはありますか?聞こえない人とコミュニケーションをとったことはありますか?
手話は、聞こえない人にとって大切な〝言葉〟です。手話で聞こえない人たちともっとつながることができます。

■手話は「特別なもの」から「日常」へ
東日本大震災の後、耳の聞こえない方々が十分な情報を得られないという課題が浮き彫りになりました。本市は、「手話は言語である」という認識のもと、2015年に東北初、全国では13番目に「手話言語条例」を施行し、手話の普及や手話通訳者の派遣に取り組んでいます。
以前は「手話は特別な人が使う、特別な言葉」という認識が強かったように思います。それがこの10年で、ウェブ動画や講座などで手話を学ぶ人が増え、テレビやイベントで手話通訳者を見掛ける機会も増えました。今では、本市での手話通訳件数は年間5千件を超えるほどです。手話が人と人をつなぐ身近なコミュニケーション手段として受け入れられ、当たり前に存在するものとして私たちの日常に溶け込んできたと感じています。
私たちはこれからも、誰もが取り残されない共生社会の実現を目指して、手話の普及に取り組んでいきます。
障がい福祉課 手話通訳士 渡邉 ひろみ

■「郡山市手話言語条例」施行から10年。
誰もが手話を学び、利用できる社会を目指し、さまざまな取り組みを行っています。

○取り組み1 離れた場所でも安心!「遠隔手話サービス」
インターネットを利用したテレビ電話で、手話を必要とする方と市の手話通訳者が会話できるサービスです。病院やお店などの外出先でも、手話通訳が受けられます。緊急時のコミュニケーションを円滑にするために、本市は全国に先駆けて救急車内でも遠隔手話サービスを導入するなど、ICTを活用した取り組みに力を入れています。

○取り組み2 気軽に学べる動画♪「一緒に手話を学びましょう」
日常でよく使う単語などを学べる手話動画を、市ウェブサイトに掲載しています。市の公式動画の中でも再生回数が多い人気のコンテンツです。講座に通う時間はないけど、手話に興味があるという方におすすめです。

○取り組み3 学校・施設や企業からの依頼が増加!「団体向け手話講座」
学習したい内容や受講人数に合わせ、講師を派遣しています。今年の夏休み期間には、30もの児童クラブで講座を開き、たくさんの子どもたちが手話を学んでくれました。

○取り組み4 手話で歌を表現♪「手話歌でつながろうプロジェクト」
聞こえる人も聞こえない人も一緒に、手話で歌を表現して動画を作ります。今年の参加団体も募集中です!詳しくは、本紙7ページの「手話歌動画に参加しませんか」をご確認ください。

■団体向け手話講座で子どもたちが手話を体験!
8月7日に、緑ケ丘第一小児童クラブの皆さんが手話講座を受けました。30人の子どもたちは1時間の講座であっという間にあいさつや自分の名前などの手話を覚え、最後は立派に自己紹介をできるまでになりました。
・圓谷 穂花(つむらや ほのか)さん
「自分の名前を伝えられるようになってよかったです。」
・小林 叶芽(こばやし かなめ)さん
「聞こえない人のために手話を使えるようになりたいと思いました。」