くらし 〔特集1〕手話でつながるこおりやま(2)

■手話を必要とする人の思い
○聞こえない人にとって手話は命そのもの。手話を通じてつながる社会をめざしたい。
「手話言語条例」が施行されてから、手話は特別なものではなく日常のコミュニケーション手段として少しずつ広まっていると感じています。
私たち聞こえない人にとって、手話は命そのもの。私が子どもの頃は、聞こえないことや手話への理解は今より乏しく、学校では手話を使うことを禁止されていました。親とも手話で話せず、苦しんできた仲間もたくさんいます。だからこそ、手話のできる人が多いまちになってほしいとずっと願ってきました。
東日本大震災の際に、聞こえない人たちはテレビやラジオの音が分からない、避難所の職員の説明が分からないなど、情報が得られず大変な思いをしました。災害時の情報保障は今も大きな課題です。また、イベント会場で司会者の説明が分からなかったり、老人ホームで会話できる人がおらず孤独を感じたりする方もいます。筆談という方法もありますが、筆談では十分に感情を伝えきれない時もあり、自分の気持ちを伝えることをあきらめてしまう方もいます。
一人でも多くの人が手話で話せる環境になれば、私たちももっと安心して生活できるようになります。聞こえる人と聞こえない人が手話でつながり、互いに寄り添える社会を私は目指しています。
NPO法人郡山市聴力障害者協会理事長 小林 靖さん

■手話を学ぶ人の思い
○手話を楽しく学び、伝えていくことで、聞こえない人への理解を広めていきたい。
私たちは手話を学ぶだけでなく、多くの市民に対して、聞こえない人への理解を深めることを目的に活動しています。現在会員は167人になりました。
私が手話を始めたのは、子育て中に、たまたま親子手話教室のイベントに参加したことがきっかけです。そこからサークル活動に参加するようになりました。習い始めた頃、サークルの後に聞こえない人とランチに行く機会があって、そこで話している内容が全く分からなくて、もっと手話を覚えて普通に会話ができるようになりたいと思いました。
現在サークルには、聞こえない人の役に立ちたいという方や、職場に耳が聞こえない人がいる方などが参加しています。手話を学ぶ以外にも、うねめまつりに参加し手話を交えた踊り流しを披露したり、市内のイベントで手話で楽しむ企画を行ったりしています。さまざまな活動を通して、聞こえる人と聞こえない人が手話でつながり、誰もが安心して暮らせる社会を目指したいです。
手話サークル「こおりやま」会長 滝田 真紀さん

■「私たちにできること」手話にチャレンジしてみよう!
手話を学ぶことは、聞こえない人たちとの心の距離を縮める第一歩です。まずはあいさつからやってみましょう!
※詳しくは本紙をご覧ください。

■手話でつながるイベントのご紹介
○第20回手話まつり
「手で話そう!手話のまち こおりやま」がテーマのイベントです。手話が分からなくても目で楽しめるパフォーマンスもたくさん。ぜひお越しください。
日時:10/19(日)10:30〜14:30
場所:郡山駅西口駅前広場
内容:手話歌・手話劇などのステージ発表、デフリンピック・手話教室などのブース

問合せ:同実行委員会事務局
【FAX】905-3124【メール】[email protected]

○手話歌動画に参加しませんか
本市出身の箭内夢菜さん(俳優・タレント)の楽曲「つないで」を手話で表現する手話歌動画に参加しませんか。一緒に手話歌をつないでいただける団体・学校・事業者などを募集します。詳しくは、市ウェブサイトをご覧ください。
申込み:10/14(火)〜31(金)に、申込書を〒963-8601(住所不要)障がい福祉課へ郵送、持参、【メール】[email protected]のいずれかで。
※申込書は市ウェブサイトからダウンロード可。申し込み多数の場合は抽選。

問合せ:同課
【電話】924-2381

○東京2025デフリンピック
聞こえない・聞こえにくい人のためのオリンピック「デフリンピック」が日本で初めて開かれます。県内ではJビレッジ(楢葉町)でサッカー競技が行われるほか、本市ゆかりの越前 由喜(ゆうき)さん(バスケ)[関連本紙32ページ]、蒲生 和麻(がもう かずま)さん(柔道)が日本代表に選出されています。みんなで応援しましょう!
日時:11/15(土)〜26(水)

問合せ:障がい福祉課
【電話】924-2381