くらし 特集 合併20周年記念 ふるさとへの誇りと愛着を携えて(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県白河市
- 広報紙名 : 広報しらかわ 令和7年11月号
先月と今月の2回にわたり、合併20周年記念を特集しています。今月は、市内で活動する団体の代表の方々と、二十歳の集い実行委員の皆さんの本市への想いなどをご紹介します。
■ふるさとへの想い
本市では、多くの市民の方々が地域への誇りと愛着を持ち、さまざまな分野で活動を展開しながら、地域の発展を支えてきました。
今回は、市内各地域で活躍している4団体「しらかわ演劇塾」「表郷レクリエーションクラブ」「大信こだま太鼓」「野出島地域活性化プロジェクト」の代表の方々に、それぞれの団体の活動内容や想いを伺いました。
その中で伝わってきたのは、人と地域に想いを寄せて、地元の協力を得ながら活動を続けていること、そして、その活動の積み重ねが、人々の絆を深めるとともに、地域への愛着をさらに育む結果になっているということでした。
■しらかわ演劇塾 代表 十文字 律子(じゅうもんじ りつこ)さん
しらかわ演劇塾は、地域の皆さんが身近に演劇文化に触れられる場をつくりたいという想いから、2014年に発足しました。現在は、コミネスを拠点に活動を続けています。
「芸術の地産地消」を掲げ、地元産でも質の高い演劇作品をつくることを目標に活動しています。メンバーの心意気と、観客の皆さんの応援が活動を支える原動力です。何より、お客さまの「地元で本格的な演劇が見られて感動した」という声がうれしいです。また、県外から来られる方も増えており、地元の枠を超えた広がりを実感しています。
芸術は決して敷居の高いものではなく、身近にあるべきものだと思います。演劇は、さまざまな人が集まり、力を合わせて1つの作品をつくり上げていくもので、コミュニケーション力や人間力を身に付けることができるといわれています。演劇に関わる人が増えることで、お互いを思いやる心が育まれ、より明るく住みやすい街につながっていくのではないかと思います。
今後もできる限り、私たちだからできる地元発信の作品を上演していきたいです。
■表郷レクリエーションクラブ 会長 佐藤 義子(さとう よしこ)さん
表郷レクリエーションクラブは、1999年に発足し、市内6か所のサークルが所属しています。「仲間づくり」「健康維持」「社会活動への参加」を3本柱に、健康寿命の延伸を目標に活動しています。
市内の福祉施設や高齢者サロン、表郷保健センターでの健康教室で、レクダンスや座ざレクダンス、バランスボールを使った運動を実施しています。レクダンスは「いつでも・どこでも・誰でも」簡単な振り付けで踊りを楽しめるもので、座レクダンスは、座ったままでも上半身を動かせれば参加できます。
多くの方々と知り合いになれることや、訪問先で「楽しかった」「また来てほしい」と言っていただけることが、うれしく、励みになります。今年で活動から26年を迎え、メンバーの平均年齢は80歳を超えました。年齢を重ねてから新しい仲間ができるのは素晴らしいことだと思います。
レクダンスを通じ、他県の方と交流する機会ができました。その中で、改めて白河の魅力を再認識し、白河市民であることを誇りに思いました。これからもこの誇りを胸に活動を続けていきたいです。
■大信こだま太鼓 代表 根本(ねもと) ひとみさん
旧信夫二小が、総合学習に和太鼓を取り入れ、発表会で演奏したのがきっかけとなり、2008年に保護者を中心として、大信こだま太鼓が発足しました。その後、学校を離れ、大信地域を拠点に活動を続けています。
地域の祭りやイベントなどに参加していますが、地元の方々の期待もあり、演奏を披露できる機会が増えたことに感謝しています。多くの方々との出会いがあり「良かったよ」「頑張ったね」と声をかけられることが励みになります。
太鼓を通じて、県内外の団体とも交流を深めています。新たな出会いにより、考えさせられることもあり、今後もこうしたつながりを大切にしていきたいです。
こどもたちには、自分が使う太鼓は自分で準備するよう指導しています。自分で考え、準備する過程を通じて、相手を思いやる心や、感謝の気持ちを育んでいってほしいです。
コロナ禍では、思うように練習できない時期もありましたが、地域の皆さんは、変わることなく応援してくれました。その支えに感謝し、今後も演奏を通じて多くの方々に元気を届けていきたいです。
■野出島地域活性化プロジェクト 会長 本宮 直(ほんぐう ただし)さん
2010年、同じ志を持った仲間が集まり、野出島地域活性化プロジェクトを設立し、地域資源である農地・自然環境・文化財・人材を活用した地域づくりを進めています。
遊休農地を活用し、菜種・小麦・そばを栽培しています。これらの畑は地域の景観を形成し、季節ごとに美しい風景を楽しむことができ、小学生が遠足で訪れています。収穫された作物を使って、6次化商品に取り組み、地域特産品「なたね油」「のでじまうどん」「野出島産そば粉」として加工販売しています。また、地元企業と連携し、そばパスタやお菓子などの原料として提供しています。
会員の特技を生かした、そば打ちも好評で、地域内外のイベントで提供しています。「おいしい」と楽しみにしている方も多く、これが私たちの元気の素になっています。
これまでの活動を通じて、観光資源が少なかった野出島地域に年間1500人以上の方々が訪れるようになりました。地域のことを知っているのは、その地域の方々です。市全体を活性化するためには、各地域の方々の力が欠かせないと感じています。
