- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県大玉村
- 広報紙名 : 広報おおたま 2025年9月号
■花・野菜・植物たち(7)
箱﨑美義 著
◇(6)つづき
風吹くままにパラシュートが、はてなき旅空をさまよい舞う絶妙な演技、姿は、たんぽぽ独特の妙演であろう。とても厳しい自然を生き、より繁栄をはかるために編み出されたすばらしいパラシュート模様だ。このパラシュートと風がつくり出した貴重な植物、黄色の花それがタンポポである。
本報6月第725号掲載「たんぽぽ」の本名、別な呼び名のゆらいの追加、補足文章
たんぽぽの名は、開花後、円形の冠毛と変身するその容姿が丁度綿を丸めて革や布で包んだもので稽古用の槍の頭につけ墨などをふくませ用いる「たんぽ槍」の穂に似ていることからつけられた呼び名である。また、たんぽぽと別名ツツミグサと呼ぶが、その由来は、京都辺の子供達のタンタンと音のする鼓から連想して呼んだ名である。
■なでしこ(撫子)
丈ひくき茅萱のなかの撫子の花うすべに淡く見えてゆるけり尾山篤二郎
撫子やそのかしこきに美しさ惟然
壺に挿して河原撫子かすかなり田村木国
◇なでしこの生れ育ち
なでしこは、なでしこ科に属し、13世紀前後期年代、鎌倉・室町年代、時期頃に世界中の山、原野に自生、野生しているのが発見された。日本における、なでしこは、800年代、平安時代に山、原野で自生、野生してるのが発見された。現在では、これら野生種の他、育種改良された園芸品種が作り出され愛培されている。
◇なでしこの本名、別な呼び名のゆらい
なでしこの本名は、なでしこ、かわらなでしこがある。別な呼び名は、せきちく(石竹)、形見草がある。本名の、なでしこの名は、日本では、河原などの水辺、湿地などに、よく生え育ち、花が多く咲くことからつけられた古くからの呼び名である。別な呼び名の、せきちくは、漢名の音読みで、古くは、「からなでしこ」と呼ばれていた。
◇古くから多く親しまれてきた、なでしこ
なでしこの花は、皆さんもご存知のとおり、見るからに、とても可憐な花で、愛のシンボルとなり、さらに母性愛に満ち、つながりが深い。800年代から1200年代、平安中期頃、女性文学者、歌人でもあった著名の清少納言が、草の花は、なでしことズバリ一級品と絶賛し格づけしている。