くらし 東日本大震災から14年
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- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県双葉町
- 広報紙名 : 広報ふたば 2025年3月 災害版 No.166
■町民の皆さまへ
双葉町長 伊澤 史朗
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から3月11日で14年が経過しようとしています。
令和6年はコロナ禍を乗り越え、復興への新たな一歩として町民の皆さまの帰還に向けた施策を力強く展開し、「新たな双葉町の時代」を切りひらいていく年として各種事業に取り組んでまいりました。
年度初めの4月には、役場庁舎北側の公設商業施設に出店いただくイオン東北株式会社と双葉町における商業環境整備に関する覚書を締結しました。現在は、令和7年夏頃のオープンを目指し、建設を進めています。また、旧町体育館跡地に建設予定の商業施設には、飲食店3店舗が出店する予定であり、国道沿いの立地を生かし、多くの方に利用していただける施設になるよう、令和7年度中の完成を目指し準備を進めております。商業施設の立地は、駅前のにぎわいはもとより、町内の生活環境が大きく改善し、復興の根幹を担う居住人口の増加に力強い後押しとなるものと期待しております。
同じ4月に、帰還困難区域の避難指示解除に向け「特定帰還居住区域復興再生計画」に新たに7行政区を追加した変更計画が、内閣総理大臣に認定されました。引き続き、2020年代をかけて、帰還意向のある全町民の帰還を目指すとともに、帰還困難区域全域の避難指示解除が実現されるよう粘り強く国に要望してまいります。
6月には、「住む拠点」として整備を進めております駅西地区の公営住宅が全戸完成し、帰還された町民の方や転入された方約100人が入居されております。引き続き住みやすいまちづくりを目指して取り組んでまいります。
「働く拠点」の中野地区復興産業拠点では、現在24件の企業と企業立地協定を締結し、18社が操業を開始しております。8月には大和ライフネクスト株式会社が整備するカンファレンスホテルの建設も始まり、令和7年度中の完成が見込まれております。ホテルは5階建てで、客室100室と300人収容の会議室を備える予定で、7月に入場者が30万人を超えた東日本大震災・原子力災害伝承館や福島県復興祈念公園に隣接していることから、今後はさらなる交流人口の拡大につながると信じております。
12月の議会定例会において、町内での町立学校の再開について表明しました。「世界の多様な人々との交流を通じ、コミュニケーション能力の素地を養うとともに、国際感覚を身に付け、多文化共生を核とした新しいこども園・学校」を学校像に掲げ、令和10年4月の開校に向け準備を進めてまいります。
1月16日告示の双葉町長選挙において無投票再選を果たし、3月10日から引き続き4期目の町政を担うこととなりました。双葉町の未来のために、町民一人ひとりの復興と町の復興を実現するため、初心を忘れず、職員とともに着実に復興の歩みを進めてまいります。
弥生、3月。「草木がいよいよ生い茂る月」と言われていますが、朝晩はまだまだ冷え込む日が多いと感じております。季節の変わり目ですので体調管理には十分気をつけてお過ごしいただきますようお願いいたします。