くらし [行政区長会活動]東京電力福島第一原発廃炉作業視察を終えて

福島第一原子力発電所事故から14年目を迎えようとしている中、去る3月5日、双葉町行政区長会活動の一環として福島第一原発廃炉作業の視察に行ってまいりました。今回の視察は行政区長13人と役場職員1人の総勢14人でした。あいにくの雨の中、東京電力様の迎えのバスに乗り現地に向かいました。
準備していただきました部屋では、スライド等を交えながら廃炉作業の現状の説明があり現在1日4,000人の作業員が従事しているとの説明がありました。
廃炉の最大の妨げの一つになっている汚染水の処理、毎日発生する処理水は75トン、それをALPS除去設備で処理し、貯蔵タンクに保管後、測定評価用のタンクに貯めて基準値を下回れば大量の海水により100倍以上に希釈後、海底トンネルを経て1キロ先の海中に放出とのことでした。現在までに累計(4回)で31,145トン分放出され、放出完了は30年後とのこと、想像を遥かに超える時間に驚きました。
デブリの取り出しは、試験取り出しで採取したデブリを約1年掛けて詳しい分析を行い、今後の作業方法を決定すると思われますが、世界で類を見ない非常に高難度の作業になるため、かなりの慎重さが求められます。
昼食後に場を屋外に移し、風雨の中ではありましたが見学エリアで1号機から4号機までの作業状況の説明がありました。1号機建屋の解体時の粉塵飛散防止の建屋カバーが建設中ですが、その高さが45メートルとの説明がありました。
保管中のタンク群に驚き、放出用の海底トンネル掘削に使用した直径2メートル程の大きさの丸いカッターも展示されておりました。屋外での説明を終え、建屋に戻り、入構時に身に着けた線量計は2マイクロシーベルトで私が一時立ち入りした時の数値と同程度でした。質疑応答の時間があり、それぞれの疑問点に答えていただき終了いたしました。原発が双葉町のみならず地域経済発展に寄与された事は紛れもない事実。我々に事故の責任はありませんができることの協力はする、そんな気持ちは持ち続けたいと思っております。最後になりましたが雨の中、丁寧な対応をしていただきました職員の皆さまと多忙な業務の中、ごあいさつをいただきました町議会副議長の高萩議員には感謝申し上げます。
双葉町行政区長会 下長塚区長 福田 猛雄