文化 《特集1》映画「この夏の星を見る」ロケ地巡りにいってみよう!(2)

◆スペシャルインタビュー
映画監督「山元(やまもと)環(かん)」×主演「桜田(さくらだ)ひより」

映画「この夏の星を見る」監督の山元環さんと、主人公の亜紗を演じる桜田ひよりさんに、作品に込めた思いや茨城でのロケについてお話をお伺いしました。

◇茨城の印象は
山元:本作が決まるまで、茨城とはあまり接点はありませんでしたが、ロケハンで訪れた際、田園風景がどこまでも広がり、とにかく空が広い場所だなと感じました。日本らしい風景がつまったすごく素敵な場所だなと思いました。

桜田:これまでも茨城での撮影はありましたが、ここまで長期間のロケは初めてでした。監督と同じく、きれいな景色が心に残っています。

◇印象深かったロケ地・シーンは
桜田:土浦第三高等学校でのロケが印象に残っています。作品のモデルになった学校で撮影することは滅多になく、生徒の皆さんが普段使用しているものが作品にも生かされています。撮影中はお昼もみんなで一緒に食べたり、まるで本当に学校生活を送っているような感覚でした。また、朝日峠展望公園で、実際に夜空を通過するISS(国際宇宙ステーション)を見て感動しました。

山元:クライマックスで亜紗たちがISSのキャッチに挑むシーンは、プラトーさとみで撮影しました。すごく形のいい丘になっていて、太陽が沈んでいくシルエットがとてもきれいに見えました。そんな特別な場所に行くことが亜紗にとって、天文部の仲間である凛久への(別れの)プレゼントとしてふさわしいと思いロケ地に選びました。二人は手に取ることができない「星空」を通じて出会ったので、形のある「物」ではなく、「時間」・「場所」・「経験」といった形のないものこそが、亜紗からの贈り物になると考えました。

◇皆さんへメッセージ
山元:本作は、見えないものを見ようとした子たちの物語です。望遠鏡は星など肉眼では見えないものを可視化する装置です。コロナ禍で先の見えない中、登場人物たちは望遠鏡を使って自分の内面ものぞき、自分自身を見つめ直し、未来のために歩みを進めていく物語になっています。皆さんが、共感できる“推しキャラ”もきっと登場すると思うので、その点も含め、さまざまな楽しみ方をしていただけたら嬉しいです。

桜田:ぜひ茨城の皆さんに鑑賞していただきたいです。高校生だけでなく大人の目線からも描かれており、幅広い世代に届けたいです。たった一つのアイデアや行動で、輝く未来をつくれることを証明できた作品です。登場人物が描き出す素敵な体験を、ぜひ感じてください。

〈プロフィール〉
・山元環
1993年生まれ。2019年のショートフィルム「ワンナイトのあとに」や配信ドラマ「今日も浮つく、あなたは燃える」で話題を集め、本作が長編商業映画初監督となる。

・桜田ひより
2002年生まれ。ヒロインとして出演した映画「交換ウソ日記」(23)をはじめ、「バジーノイズ」(24)や「大きな玉ねぎの下で」(25)などの映画で主演を務めたほか、数多くのテレビドラマにも出演。

■映画「この夏の星を見る」あらすじ
2020年、コロナ禍で青春期を奪われた高校生たち。茨城の亜紗(あさ)は、失われた夏を取り戻すため、〈スターキャッチコンテスト〉開催を決意する。東京では孤独な中学生・真宙(まひろ)が、同級生の天音(あまね)に巻き込まれその大会に関わることに。長崎・五島では実家の観光業に苦悩する円華(まどか)が、新たな出会いを通じて空を見上げる。手作り望遠鏡で星を探す全国の学生たちが、オンライン上で画面越しに繋がり、夜空に交差した彼らの思いは、奇跡の光景をキャッチする―。

出演:桜田ひより/水沢林太郎/黒川想矢/中野有紗/早瀬憩/星乃あんな/和田庵/萩原護/秋谷郁甫/増井湖々/安達木乃/蒼井旬/松井彩葉/中原果南/工藤遥/小林涼子/上川周作/河村花/朝倉あき/清水ミチコ/ビスケッティ佐竹/堀田茜/近藤芳正/岡部たかし
原作:辻村深月「この夏の星を見る」(角川文庫/KADOKAWA刊)
監督:山元環
脚本:森野マッシュ
音楽:haruka nakamura
主題歌:「灯星」haruka nakamura+suis fromヨルシカ(Polydor Records)
FLARE CREATORS企画第一弾作品

「この夏の星を見る」note

7月4日(金曜日)全国公開
[県内の公開劇場]
ユナイテッド・シネマ水戸/TOHOシネマズ水戸内原/シネマサンシャイン土浦/イオンシネマ下妻/MOVIXつくば/TOHOシネマズひたちなか/イオンシネマ守谷/USシネマパルナ稲敷

この記事に関するお問い合わせ:県観光誘客課
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