- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県
- 広報紙名 : 県広報紙「ひばり」 2025年8月号
本県では、2021年から、教育委員会と学校現場の先生たちが一丸となって、「学校の働き方改革」に取り組んできました。変わり始めた教員の働き方についてご紹介します。
■なぜ、学校の働き方改革は必要なの?
子どもたちに、質の高い教育を提供するためには、教員が健康に働ける環境整備と、教員が子どもたちとしっかりと向き合う時間を確保することが大切です。
そのためには、勤務時間や業務の見直し、そして、教員の働きがいの創出が必要です。
■本県の働き方改革の主な取り組み
◇全校種共通
・会議の回数削減や時間短縮
・業務のデジタル化
・定時退勤日の設定
・退勤の声掛けなどの意識改革
◇高校・特別支援学校
・時差出勤の活用 90%以上の学校で活用しています
・デジタル教材の共有
◇小・中学校
・繁忙期の5時間授業設定
・時間割の見直し
・学校行事の見直し
・テスト採点に自動採点システムを導入
■「時間外在校等時間」の削減が進んでいます
文部科学省は、2029年度までに教員の時間外在校等時間(※)を月30時間程度に削減することを目標に掲げています。
それに先立ち、県では2021年度から、すべての公立学校の教員の勤務時間を把握し、さまざまな取り組みを進めており、成果が表れています。
「時間外在校等時間」とは、在校等時間から正規の勤務時間を引いた時間です。
◇\全校種とも減少しています/本県の時間外在校等時間(月平均)〈2021年度→2024年度〉
子どもたちと向き合う時間が増えました
◆5年前とはだいぶ違う!
働き方改革が進む学校の先生の声をご紹介します
◇小学校
常陸太田市立誉田小学校 大貫紗希 養護教諭
・家庭の時間を確保できるように
時間割の見直しで、6時間授業の日でも、以前より1時間早く校務を始められるようになりました。また、全体の授業時間は変えずに、3月と4月の繁忙期は毎日5時間授業となり、帰宅が早くなったことで、自分や家庭の時間も大切にできるようになりました。
・教員を目指す方へ
教員は、子どもたちの人生の大切な時に、一番近くで関わることができる魅力的な仕事です。困ったときも周りに助けてくれる先生たちがいます。教員として、皆さんと出会える日を楽しみにしています。
◇中学校
日立市立泉丘中学校 久保田克也 教諭
・部活動の関わり方が柔軟に
第1・第3土・日は原則部活動を休みとし、第2・第4土・日は複数顧問制により交代で指導しています。自分は部活動が好きなので手伝いに行くこともありますが、それは「自分の選択」です。教員の部活動への関わり方が柔軟になっています。
・教員を目指す方へ
教員自身が働き方改革や教育改革に積極的に取り組み、支え合いながら楽しく仕事をしています。若い皆さんの新しい視点や感性、力が教育界には必要です。一緒に楽しく働きましょう。
◇高等学校
県立水海道第一高等学校 西元重雄 教諭
・デジタル化で業務効率が向上
5年前と比べ、校務のデジタル化が大きく進みました。書類の90%が電子化され、メールやコミュニケーションツールの導入で、煩雑な作業が減り、業務がスムーズになりました。それぞれの業務がデジタルで連携され、DXが進めば、さらに業務を効率化できると思います。
・教員を目指す方へ
教員の仕事には大きなやりがいがあります。生徒の成長を間近で見守り、感動を共有できるのは、この職業ならではの魅力です。大変なときもありますが、それ以上に魅力的な職業だと思います。
◇特別支援学校
県立霞ケ浦聾学校 笠原ちひろ 教諭
・育児と仕事の両立ができています
早出出勤が選べるようになり、保育園に早めに子どもを迎えに行けるようになりました。また、効率的に時間を使えるので、配偶者との育児分担もスムーズです。以前は定時で退勤しにくい雰囲気がありましたが、今は早く帰るよう声を掛けてもらえるので助かっています。
・教員を目指す方へ
以前は学校行事が家庭より優先されることもありましたが、職員室の雰囲気は着実に変わってきています。同僚から早めの退勤や休暇取得が促されるようになり、教員を目指す皆さんへ「安心して」と伝えたいです。
この記事に関するお問い合わせ:県教育改革課
【電話】029-301-5399