くらし 【特集】猫のいる暮らし 1

■人も猫も安心できるまちに
私たちにとって身近な動物である「猫」。自由気ままな仕草や愛くるしい表情から、人の心を癒やしてくれる存在と感じる人も多いのではないでしょうか。
一方で、適切な飼育や管理がされないことで、ふん尿や鳴き声などの問題が発生し、生活していく中で嫌われてしまう一面もあります。
猫は「動物の愛護及び管理に関する法律」により愛護動物と定められているため、各自治体では捕獲等を行っていません。そのため家庭や地域などの協力により、人に守られるべき存在です。人の都合で捨てられたり、人がとった行動から不幸な猫が増えたりすることがないよう、猫の生態や習性を理解し、正しく飼育・管理しましょう。
今回の特集では、人と猫が共に安心して暮らすための制度や、市内で猫に関する活動に取り組む人々を紹介します。

■猫を飼うときのポイント
01 室内飼い
猫は縄張りを持つ動物ですが、食事と睡眠が確保された安全な室内では、室外で飼うよりもストレスがたまりません。交通事故や病気から守ることにもつながります。

02 不妊去勢手術
猫は非常に繁殖能力が高い動物です。不妊去勢手術をすれば、意図しない妊娠や発情期の問題行動が防げ、病気の予防にもつながります。市では手術費用の一部を助成しておりますので、ご活用ください。

03 身元表示
飼い猫であることを明示することは、飼い主のいない猫と識別をするためにも重要なことです。首輪、名札やマイクロチップなどで、身元表示をするようにしましょう。

04 最後まで責任を持つ
猫は家族の一員です。猫の生態や習性などを理解し、その一生を終えるまで愛情と責任を持って世話をしてください。飼えなくなったからといって、殺傷や遺棄をすることは犯罪です。

■飼い猫を登録しませんか?
市では、愛する飼い猫が安心して暮らせるまちを目指し、猫の登録を行っています。
登録した人には飼い猫と分かるように鑑札、門標、愛猫カード、首輪の計4点を配布します。オンライン決済にも対応していますので、ぜひ、ご登録ください。
登録するともらえるもの:
・鑑札(サイズ:25mm×35mm)
・門標
・首輪
・愛猫カード
対象:市内在住で猫を飼っている人
費用:500円
申込:(三)環境課、(総)市民総合窓口課、(古)市民総合窓口室、申し込みフォーム〔窓口・HP〕

問合せ:(三)環境課
【電話】76-1511

■保護猫に出会う
○保護猫とはー
飼育放棄や災害、人が望まない繁殖などのさまざまな理由で行き場を失いながらも助けられ、自治体や動物保護団体の施設などで一時的に保護されている猫のことです。

県では、犬猫殺処分ゼロを目指す条例を定め、県民が犬猫と共に幸せに暮らせる社会の実現に向けて、関係団体や市町村等と連携を深めています。
平成30年以降は殺処分を行っておらず、譲渡不適による処分(不治の病気や負傷等による安楽死)も年々減少。収容頭数もおおむね減少傾向にありますが、それでもまだ多くの猫が保護されているのが現状です。

■保護猫のススメ
○猫を助けることができる
過酷な環境から保護された猫でも、引き取り手が見つからないと殺処分されてしまう場合があります。
不幸な猫を1匹でも多く救うために、保護猫を家族に迎えてみませんか。

○事前に飼い方を相談できる
譲渡希望者への聞き取りなどをしっかり行うため、生活環境に合った猫を引き取ることができます。また譲渡決定前に、お試し期間が設けられていることも多いため、環境になじめるか確認できます。

○譲渡費用が安い
ペットショップやブリーダーから購入すると費用が高額になりがちです。
保護猫も、費用は団体などによって異なるため確認が必要ですが、安く抑えられる傾向にあります。

○成猫を家族に迎えてみませんか?
捨てられてしまう猫の割合は子猫が多いですが、引き取りを望む人も多いため譲渡は進みます。一方で、成猫の譲渡は進みにくい状況です。
しかし、成猫は子猫にない利点があり、初めて猫を飼いたいという人にはオススメです。
(1)体格が変わりにくい
(2)性格がある程度出来上がっている
(3)子猫と比べると落ち着きがある
(4)留守番ができる

◆幸せな猫を1匹でも増やしたい
人にも猫にも優しい活動をしたいという思いで、保護猫活動を続けている「はなまる猫の会」の皆さん。代表を務める矢島さんが2年ほど前に設立し、現在は15人で活動をしているボランティア団体です。野良猫の保護や保護猫の譲渡を行っています。
猫の保護は、市や福祉団体などからの相談を基に行い、保護後は、動物病院でネコエイズやネコ白血病ウイルスなどを検査し、会が運営する施設で一時的に管理。その後、体調などを考慮しながら譲渡を行います。譲渡会のルールは団体によってさまざまですが、はなまる猫の会では興味のある人が気軽に参加できるように門戸を広げているのが特徴です。1人暮らしの人やペットセラピーを目的とした人に対しても譲渡を行っているほか、引き取れないけど猫と触れ合いたいという人の参加も歓迎しています。
譲渡会では、譲渡希望者の要望や飼育環境などを確認し、猫の性格や相性も加味した上で行います。また、正式な譲渡の前にはお試し期間を設けているので、希望者の自宅で数日過ごした上で決められるので安心です。
譲渡後も、猫の近況を教えてくれる人がいてうれしいと話す矢島さん。猫だけでなく、困っている人の力になれることも、やりがいだと笑顔で教えてくれました。大好きな猫のために、これからも活動を続けます。

○はなまる猫の会
[譲渡会]
期日:第4土曜日
時間:10時30分~14時
場所:矢島倉庫(緑町6-10)

問合せ:【電話】090-3407-3937