くらし 〔まちづくり・潮来の自然と歴史を知る〕潮来市の誇れる自然 第91回

■北浦での大学生向け野外実習が大盛況!
茨城大学の臨湖実験施設である水圏環境フィールドステーション(潮来市大生)は、全国の大学生が湖沼環境・生態系について学べる教育拠点(文部科学省認定)です。夏休みには各地の大学生が霞ヶ浦でのフィールドワークを体験したくて来てくれます。
8月19~23日の公開実習1「巨大湖の生態系と環境問題―霞ヶ浦での調査・実験から理解する」には、山形大、北里大、茨城大、慶應義塾大、青山学院大、近畿大、高知大、長崎大の学生たち9名が参加しました。この実習の教材は霞ヶ浦・北浦の水環境、生物多様性、生態系、地形・地質などです。
1日目は霞ヶ浦・北浦の水環境問題やその歴史的変遷、最近の外来種問題などを座学で学んでから、アメリカナマズの駆除釣りを実施。1時間で50cm以上の大物(写真1)を含む6尾が釣れて、その脅威を体感しました。2日目は北浦沖での水質・プランクトン・底生動物調査(写真2)、室内での活性汚泥を使った水質浄化実験でした。3日目は湖底堆積物の分析から環境の変遷について学びました。4日目は岸近くでの魚類調査(写真3、4)で、外来種や在来種を含む魚類・甲殻類13種の生息を確認してから、外来魚と在来魚の食う・食われるの関係を調べました。最終日の成果発表会では、霞ヶ浦・北浦の環境・生態系の保全や利用についての議論が大いに盛り上がりました。大学生たちが湖とその周辺の自然の魅力に触れるよい機会となりました。ご協力いただいた地域の皆様に感謝申し上げます。
※写真は本紙をご覧ください

茨城大学地球・地域環境共創機構 水圏環境フィールドステーション
加納光樹・金子誠也