- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県潮来市
- 広報紙名 : 広報いたこ 2025年10月号 Vol.295
東京と潮来を行き来しながら、自分の思いや表現を仕事にする人がいます。日本酒と日本茶にこだわり、訪れる人に特別な空間を提供する「偶吟(ぐうぎん)」。店主の旦(あさき)さん、その暮らし方や働き方は、これからの生き方を考えるヒントになるかもしれません。
■自分の思いをかたちに潮来で癒しの空間を
もともと都内の会社で働いていた旦さん。コロナ禍で生まれた時間の中で、自分自身のやりたいことについて考えたと言います。「その時、『訪れる人に空間で癒されてほしい』という思いでした。同時に、日本人として和を学びたい気持ちもあり、日本酒や日本茶を学びました。」
日本酒と日本茶は空間づくりに色を添えてくれました。「ただ飲む」のではなく、「過ごす時間」そのものを大切にしています。「一旦、自分の生活を忘れていただけるような場所にしたい。心の中にあるわだかまりやもやもやを一瞬でも忘れられる空間にできればと思っています。」
■潮来とつながる
「お店を出店するにあたっては、足を運んでくれる人に、心を込めてのおもてなしができる場所にしたいと考えていました。そのとき思い浮かんだのが、私が知る中で一番のどかなまちが潮来でした。祖母の家があり、潮来祇園祭礼が大好きで、夏休みには一人で二週間ほど滞在していたほどなんです。」
お店では、お茶を淹れる際に潮来の水を使い、料理にも地元の野菜を取り入れています。「地元の食材と潮来の水の組み合わせで、ここでしか味わえない時間を届けたい」と旦さん。土地に根差した素材を生かすことで、潮来ならではの味わいを感じられるお店になっています。
■二拠点生活で広がる可能性
現在は東京と潮来を行き来する二拠点生活。都会では得られない自然や人とのつながりが、新しい発想をもたらしています。
「季節の移ろいを肌で感じられることが好きです。日の入りの角度ひとつでも季節ごとに違い、それをお客さんと共有できるのが嬉しいですね。それでも、東京での生活を手放さないのは、今も東京が最先端であり、料理や表現を学ぶ場として大きな意味があると思っています。それらを自分なりに消化し、潮来のお店で表現しています。」と話します。暮らしの場を二つ持つことが、働き方の幅を広げています。
■潮来ではじめる一歩
「開店準備中はとても大変でした。『潮来でお店をやってもお客さんが来てくれるかな…』と不安になることもありました。でも〝やると決めたんだ〟と諦めずに頑張りました。東京の友人や潮来の知人が手伝ってくれたおかげで、無事オープンできました。
開店後は、県内外から抹茶や看板猫のメイプルを目当てに訪れるお客さんが来てくださりありがたい限りです。」
自分の思いを空間で表現することを仕事にした旦さん。その秘訣は「やりたいかたちをぶらさず、その気持ちに素直になること。他にも、潮来を一緒に盛り上げてくれる人がもっと増えてほしいです。お店づくりなど、力になれたらと思っています。」とも語ります。
■お店に来てくださる方へ
営業日につきましては、ホームページやインスタグラムにて事前にご確認をお願い致します。
また、当店には看板猫のメイプルがおります。猫が苦手な方やアレルギーをお持ちの方はあらかじめご留意ください。
#自分らしい働き方
#潮来で丁寧な暮らし
■偶吟(ぐうぎん)
住所:潮来市潮来134
日本酒と日本茶のお店
店主・旦(あさき)さん
東京都在住。会社勤めを経て、潮来市に〔偶吟〕を開業。東京と潮来で二拠点生活を送りながら自分らしい暮らしを実践。
