- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県利根町
- 広報紙名 : 広報とね 2025年4月号 No.733
■「もっと多くの人にこの町を知ってもらいたい」
藤田博基(ふじたひろき)隊員
Profile
年齢:46歳
出身:香川県三豊市
趣味:登山、キャンプなど、アウトドア全般、陶芸
イギリスに美術留学後、都内で自営業(広告業・カフェ・スポーツジム経営など)を経験
長年の夢だった就農と空き家活用のため、利根町に移住
現在、宅建と建築を勉強中
―利根町の地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください
以前は、都内で自営業をしていました。大学時代にイギリスに留学し、美術やデザインを勉強した経験から、主にインバウンド広告や、海外でのイベント企画や制作を行っていました。また、海外から著名人を招聘(しょうへい)して、日本の魅力を発信してもらう取り組み(FAMトリップ)なども多く手がけました。
カフェやスポーツジム、エステサロンも経営していましたが、コロナ禍でインバウンドが停止し、メインの広告業の仕事が減ってしまった時に、地方への移住を本気で考えるようになりました。
もともと「いつか地方に移り住んで農業をやってみたい」という気持ちがありましたが、「年を取ってから移住して一から農業をやれるだろうか?」と考えた時、「やるなら今だ」と思ったんです。
そして、移住先を探しているときに、たまたま知った利根町を訪れて、一面に広がる田園風景に感動し、「ここかな」と、直感的に移住を決めました。
その後、町で空き家対策の地域おこし協力隊を募集していることを知り、自らの移住や就農の体験で得る知識や人との繋がりが、今度は誰かの手助けになるのかも知れないと思って応募しました。
―普段どのような活動をされていますか?
最近の活動でいうと、空き家の所有者さんへの意識調査や、空き家を売りたい・貸したいという方の相談や支援をしています。
今は文間・東文間地区に多い農地付き空き家を主に担当していて、私自身も、地元の農家さんに指導してもらいながら、米、芋、野菜や果樹など、春からの農耕の準備を本格的にスタートしました。
先日、念願だったヤギを4頭迎え入れ、ニワトリも卵から孵(かえ)してヒヨコを育ててます。一緒に移住した大型犬2頭も含めて賑やかに暮らしてます。
―今後の目標を教えてください
空き家バンクに登録できる物件は、比較的キレイでそのままでも住めるようなものが対象ですが、実際には、傷みや老朽化が進み始めた空き家のほうが多いです。そういう物件を売買や賃貸のステージに上げて、利活用に導きたいなと思っています。
また、空き家問題の改善には、移住者の存在が不可欠ですので、町内の農地付き空き家をお借りして、移住や就農希望者向けのワークショップや勉強会などを定期的に開催していく予定です。
春には田植えや野菜の苗植え、夏は皆で竹の切り出しから行う流しソーメンやバーベキュー、ヤギたちとキャンプなどもいいですね。
秋には稲刈りや芋掘り。冬は味噌造りや餅つきなど、大人も子供も楽しみながら学べる企画にしたいです。
他にも、移住希望者向けの空き家見学ツアーなども他自治体で反響が大きいと聞きますので、ぜひ利根町でも企画できればと思います。
私は、適度に田舎でのんびりした利根町での生活や、この町で出会った人たちが大好きです。
農業体験などを通じて、もっとこの町を知ってもらえたらいいなと思っています。