文化 なす風土記ものがたり vol.68

■発掘調査から展示まで
今月末から、当資料館では「令和6年度発掘速報展~上侍塚北古墳~」と題して、昨年度の発掘調査の成果を展示します。それに関連し、ここでは、出土した土器片が「展示品」になるまでの流れをご説明します。
最初に行うのが水につけて、ブラシで軽くたたいたりこすったりする、土を落とす作業です。決して力強く磨いてはいけません。乾燥させた後は、全ての土器片にどこから出土したのか、極細の筆で記入します。
次は修復作業です。ピースが揃うかどうか分からないパズルに挑戦するようなもので、大変根気が必要な作業です。足りない部分は歯科用の石膏(せっこう)などで補強することもあります。
ここまでくれば展示に供することもできなくはないですが、展示に際しては、いつ・どうやって作られたのか、どのように使われたのか、どうして壊れてしまったのか。そういった疑問を解決するため、十分に観察し、他の遺跡から出土した資料ともよく比較して、所見を整理する必要があります。
展示をご覧になる際、展示までにはそういった作業があることを想像していただくのも一つの楽しみ方かもしれません。

問合せ:なす風土記の丘湯津上資料館
【電話】0287‒98‒3322