- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県那須塩原市
- 広報紙名 : 広報なすしおばら 令和7年6月20日号(ナンバー435)
大阪・関西万博において、姉妹都市のオーストリア共和国リンツ市の学生と那須塩原市の中学生が合唱コンサートを行います。
歌声を通じて両市の絆と本市の魅力を世界に発信します。
■世界へ届け、那須塩原の「開拓の心」とリンツとの友情の歌声
□万博出展に込める想い
大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催されている、世界中が注目する一大イベントです。本市は、この素晴らしい舞台に、次の3つの目的で参加します。
1. リンツ市との友好関係を深める
10年来の姉妹都市であるリンツ市と本市は、長年の交流を通じて、固い友情で結ばれています。万博という特別な機会にこの友情を世界に示し、お互いの絆をさらに深めていきます。
2. 国際交流・多文化共生の推進
リンツ市の学生と本市の中学生が姉妹都市合唱団として共に歌うことは、国を越えた交流の素晴らしさ、そして多様な文化を持つ者同士がお互いを認め合い、共に生きることの大切さを伝えてくれることでしょう。
この経験が、未来を担う子どもたちにとって、世界を身近に感じ、国際的な感覚や多様な価値観を身につけ、育むきっかけとなることを願います。
3. 世界へ向けた魅力発信
「開拓のまち」として、新しいことに挑戦し続ける姿を日本国内だけでなく、世界中にアピールします。加えて、豊かな自然や歴史、文化、そして温かい人々といった多面的な魅力を世界に向けて発信し、市のさらなる発展につなげます。
□開拓の心、未来へつなぐ挑戦
本市は、明治時代に多くの先人たちが、夢を抱いて不屈の精神で原野を切り拓(ひら)き、現在のまちの礎(いしずえ)を築いた「開拓のまち」です。この歴史を受け継ぎ、新しいことや未来につながる挑戦を大切にしてきました。
今回の大阪・関西万博への出展も、未来を見据えた新たな挑戦です。
リンツ市との協力を通じて、世界の多様な文化に触れることが、先人から受け継いだ「開拓の心」を国際社会で発揮する第一歩となり、本市の持つ可能性をさらに広げることを目指します。
■那須塩原市 × リンツ市 姉妹都市交流のこれまでとこれから
□青木周蔵が結んだオーストリアとの絆
本市とリンツ市は、明治の外交官、青木周蔵が縁で友好関係が始まりました。
現在の青木地区に農場を開いた青木は、外務大臣などを歴任し、明治日本の近代化に尽力した人物で、ドイツや当時のオーストリア=ハンガリー帝国とも深いつながりがありました。
青木は農場で、ドイツ貴族が実践(じっせん)していた林間農業を取り入れ、森林の育成に力を入れました。また、青木が農場内に設立した学校は、現在の青木小学校の前身となりました。
□時代と国境を越えたオーストリアとの交流
青木の子孫でリンツ市在住のニクラス・サルム氏が本市を訪れたことをきっかけに、リンツ市との交流が平成17年に始まりました。
歴史的な縁から始まったこの交流は、平成26年に姉妹都市提携を締結するまでに発展しました。それ以来、文化、教育、スポーツなど、さまざまな分野で交流を重ねてきました。
さらに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、本市がオーストリア共和国のホストタウンとなったことで、リンツ市との絆はさらに強くなりました。
□未来へつむぐ絆~万博から世界へ発信~
今回の大阪・関西万博への出展は、これまでの歴史と交流によって築かれた信頼関係の上に成り立っています。本市に受け継がれる「開拓の心」は、異なる文化を理解し受け入れる「多文化共生」の考え方にもつながります。
万博は、この「開拓の心」を世界に伝え、本市への関心を高める良い機会です。
万博での姉妹都市合唱団の歌声は、本市とリンツ市の友情、そして世界の平和と共生という願いを込めたメッセージとなるでしょう。
問い合わせ:[本]市民協働推進課
【電話】0287-62-7019