くらし 【特集】水道と下水道

■[第2回]浄水と下水処理
毎日使う水は、私たちの暮らしに欠かせません。
市には安全な水をみなさんに届けるための多くの施設があります。
今回は、普段目に触れない縁の下の力持ちである水道施設をご紹介します。

▼おいしい水がとどくまで
▽水源
水道水のもとになる水を取る場所のことです。
河川や疏水(そすい)、地下水などを水源にしています。

▽導水管
水源と浄水場をつなぐ管

▽浄水場
ろ過して水の汚れを取り除き、滅菌することで、安全に飲める水をつくる(きれいにする)工場の役目があります。

▽千本松浄水場
1日の浄水量は7,776m3で、学校プールにすると約19杯です。(昭和48年竣工)

▽鳥野目浄水場
1日の浄水量は17,280m3で、学校プールにすると約41杯です。
※ほかに、穴沢浄水場、要害(ようがい)浄水場があります。

▽鳥野目浄水場~現在更新工事中~
鳥野目浄水場は、昭和9年に竣工した市内で最も古い浄水場です。
これまで、施設の修繕をしながら運転管理を行ってきましたが、施設全体の老朽化が著しく、平成30年度に詳細な耐震診断をした結果、施設自体の更新工事が必要なことが判明しました。現在、令和9年4月に施設が利用開始できるように工事を進めています。

▽配水池
浄水場でつくられた水を一時的に貯めておく施設です。使用水量の調整や緊急時に使う水を確保する役目があります。

▽配水管
配水池と家や学校などをつなぐ管

▽給水装置
給水装置とは、宅地内に引き込まれた給水管から水栓(すいせん)(蛇口)までのことです。
市内での給水装置の設置や修理などの工事は、市が指定した工事事業者のみが行えます。
指定工事事業者は、上下水道部への工事申請から工事完了までの作業を行います。

▽水道施設の維持管理
市では、皆さんの家庭に安全な水を届けるため、浄水場や水道管などを管理しています。
施設の点検や修理、地震に強い施設への更新など、計画的な維持管理と整備を行っており、これには多額の費用がかかります。
皆さんの水道料金は、安全な水の供給を支える大切な財源となっています。
次回は水道事業の財政状況について紹介します。

▼汚れた水がきれいになるまで
家庭などから出た汚水は、市の水処理センター(黒磯、塩原)と、県の北那須浄化センターで処理をしています。
これらの水処理センターの働きと、下水道がない区域はどのように汚水が処理されているのかを紹介します。

▽排水設備
建物や敷地から排出される汚水を公共下水道に接続するための排水管などを排水設備といいます。
皆さんの家や学校から出た汚水を水処理センターまで運びます。

▽排水設備の工事
水洗トイレや宅地内の配管などの排水設備工事は、市が指定した工事店のみが行えます。
指定工事店は、工事だけでなく、市への手続きや関係書類の作成なども行います。

▽下水道がない区域(浄化槽(じょうかそう))
下水道がない区域は、浄化槽(合併処理)を設置します。
浄化槽は、微生物の働きにより汚水を浄化する恒久的な汚水処理施設です。
浄化槽の設置や、使用開始などには届け出が必要です。設置する要件によって、費用の一部を補助する制度が利用できます。

[合併処理浄化槽のしくみ]
・嫌気床槽(けんきろしょうそう)…ろ材で固形物や浮遊物をとり除き(酸素を必要としない)嫌気性微生物が汚れをきれいにします
・接触ばっ気槽…接触材に付いている(酸素を必要とする)好気性微生物が汚れをきれいにします
・沈殿槽…汚れと微生物を沈めます
・消毒槽…菌などを消毒します
・ブロワー…汚水の中に空気を送ります

[水処理センター]
▽沈砂池(ちんさち)
大きなごみや砂を沈めて、取り除きます。

▽最初沈殿(ちんでん)池
ゆっくりと汚水を流して、小さな汚れを沈めていきます。

▽反応タンク
微生物が汚水の中の汚れを食べると沈みやすい固まりになります。微生物の働きを助けるために空気を送ります。

▽最終沈殿池
ゆっくりと水を流して汚れと微生物を沈めます。

▽消毒
きれいになった水を消毒して川に放流します。

▽汚泥(おでい)の処理
汚水を処理をするときに汚れや微生物が沈んで泥状になったものを下水汚泥といいます。
現在は、セメントなどへの建設資材化が主流です。国は、肥料としての利活用を推進しています。
・建設資材利用
・緑地・農地利用
・エネルギー利用

▽下水道施設の維持管理
汚水をきれいな水に戻すため、水処理センターでは、汚水処理に使う薬品や電気料、施設を運転管理する費用(維持管理費)がかかります。
この費用は下水道を使用している人に負担してもらう「下水道使用料」をあてていますが、それだけでは間に合わないため、税金も使われています。
また、維持管理費のほかに、施設を建設するための費用(資本費)もあり、下水道事業費の経費や財源には種類があります。
次回は下水道事業の財政状況について紹介します。

※詳しくは本紙をご覧ください。

問い合わせ:[西]管理課
【電話】0287-37-5109