子育て 支えが広がる。安心と笑顔。〜今、ぐんまの子育てが変わる〜(1)

喜びもあれば、思うようにいかないこともある子育て。子どもたち一人一人の可能性を引き出すためには、社会の支えと地域の皆さんの支えが、大きな力になります。
全ての子どもが健やかに育ち、社会全体で子どもと子育て家庭を応援するために、県では「子育て圧倒的NO.1」の実現に向けて、切れ目のない支援を進めています。
支援が広がれば、笑顔も広がる。子育てに安心と笑顔を届ける「こどもまんなか施策」。今年度さらに強化した、群馬県のライフステージに応じた、子ども・子育て施策を紹介します。

■見守る力、信じる力
〜子どもが輝く未来のために〜
群馬大学大学院
准教授 大島 みずきさん
発達心理学が専門で、幼児の社会的な行動の発達とそれに関わる環境の影響を研究。また実際の教育現場にも積極的に関わっている。
私は発達心理学の中でも特に幼児心理学を専門にしています。大学生の時に調査で保育園を訪れ、生き生きとした子どもたちを間近で見て、幼児期の豊かな世界が展開される面白さに心を動かされたことが、研究を始めるきっかけとなりました。自分自身の幼児期の記憶があやふやなため、その時期の子どもたちの成長や思考に強い興味を抱いたのだと思います。
保育の現場では、子どもたちの発達の多様性や個性を実感します。県では、非認知能力の育成やインクルーシブ保育など、子どもたちの多様な可能性を伸ばす支援が進んでいます。特に、人が社会で生きるために必要な非認知能力は、保育士が意図を持って環境を整えることで伸びていくものだと思います。そのため、保育士配置を充実させ、子ども一人一人に寄り添う体制は非常に重要で、子どもが自分で考えて行動できる環境に近づいていくのではないかと楽しみに思っています。
子どもは誰でも大きな可能性を持っていますが、その力を引き出すためには周囲の大人や社会の支えが不可欠です。私たち大人が「どう支えていくか」を考え続け「支えたい」という気持ちを持ち続けることが、子どもたちの力になるのではないでしょうか。

■01 1歳児の成長を支える手厚い保育
1歳児は、心や体が大きく成長し始め、自分の気持ちを伝えたり、いろいろなことに興味を持ったりする大切な時期です。そのため、保育園などで過ごす子どもにとって、園の環境はとても大切です。
そこで、国が進める「1歳児5人に保育士1人」より一歩進んだ「1歳児4人に保育士1人」体制にしていくことで、質の高い保育を実現します。園の運営をより充実させ、きめ細かい保育をサポートすることで、安全で安心な保育環境を目指していきます。

◇非認知能力の育成とインクルーシブ保育で育む「生きる力」と「思いやりの心」
・非認知能力
学力では測れない、人が社会で生きるために必要な力など
・インクルーシブ保育
多様な背景を持つ子どもたちが共に成長できる保育

■02 とりやまこども園で聞いてみました
とりやまこども園(太田市)
子どもの笑顔を大切にする認定こども園。自立心や思いやりを育てる非認知能力の向上や、年齢の違う子どもたちが一緒に過ごす縦割り保育などのインクルーシブ保育にも取り組んでいます。

◇一人一人に向き合う、安心の保育を
保育士 木村 恵理奈さん
私は現在、1・2歳児を担当しています。この時期は「いやいや期」と呼ばれ、自己主張が強くなる時期ですが、言葉や生活習慣をどんどん吸収する大切な時期でもあります。そこで子どもの気持ちを尊重し、やる気を引き出す声掛けを大切にしています。例えば、着替えを嫌がるときは無理にさせず「汗をかいたから着替えようね」と理由を伝えたり「次は絵本を読もうね」と気持ちを切り替えさせたりと工夫をしています。
また子どもが安心して楽しく過ごすためには、笑顔で接し、信頼関係を築くことが大切です。集団保育の中でも一対一の時間を意識的に作り、絵本を読んだり、抱っこしたりと家庭的な雰囲気を大事にしています。子どもの様子などは他の先生とも情報共有して、一人一人に合った対応ができるよう、心掛けています。
子どもたちにとっても保護者にとっても「ここが安心できる場所」と思ってもらえるとうれしいですね。

◇信頼できる先生の関わり方で、子どもが変わる!
子どもの小食で悩んでいましたが、先生が楽しく食べられる工夫をしてくださり、保育園でも家でもたくさん食べられるようになりました。また細やかで温かい声掛けのおかげで、子どもも前向きな言葉を使えるようになりました。先生との信頼関係が築けているので、安心できています。
保護者 稲垣 恵さん

■03 ワンアクション!買って応援、ぐんまの子どもたち
「ぐんまちゃんこども支援プロジェクト」のロゴを使用した商品の売り上げの一部が県に寄付され、子ども関連の施策に役立てられています。
現在は「フレッセイ(県内全店舗)」や「るなぱあく(前橋市)」などで実施中。詳しくはホームページをご覧ください。

問い合わせ先:県庁エンターテインメント・コンテンツ課
【電話】027-226-2315

■04 保育の仕事、あなたのもう一度を応援します!
保育士資格のある未経験者やブランクのある人が保育の仕事を体験できる事業を実施しています。給料をもらいながら、実際の業務を短期間体験することで、仕事への理解を深め、自分に合った働き方が見つけられます。
また就職・資格に関する相談やイベント、セミナーなども実施しています。
一緒に保育の仕事をしませんか。詳しくはホームページをご覧ください。

問い合わせ先:ぐんま保育士就職支援センター(前橋市新前橋町)
※月〜金曜日 午前9時から午後5時
【電話】027-255-6600