- 発行日 :
- 自治体名 : 群馬県千代田町
- 広報紙名 : 広報ちよだ 2025年8月号
■天文愛好家
◇宇宙の果てを想像するだけでワクワク
岡部典行さん(木崎・65歳)
小学生の頃、アポロ11号が史上初めて人類による月面着陸に成功する様子を見て宇宙や星に興味を持った岡部典行さん。中学2年生の時に初めて天体望遠鏡を買ってもらい、そこからは毎日のように自宅の庭で天体観測をするようになりました。ピント合わせが難しい中、家族みんなで土星の輪を見ることができたときの感動を、今でも忘れることができないそうです。
大学生になると気象研究部に所属し、晴れた日には天体用の双眼鏡を持ち、赤城山に星を見に行ったり、気象観測を行ったりと活動を続けました。社会人になってからは教師として働く傍ら、向井千秋記念子ども科学館の科学クラブで講師を務め、天文班を担当。小学校高学年向けに簡単な天体望遠鏡を作ったり、晴れた日には屋上で星座を観察したり、ビニール傘を使って北極星を中心にした自作の「星座早見傘」を製作したり、子どもたちと一緒に楽しみながら活動を展開していました。
さらに、一昨年より友人の高柳悦夫さんを中心とした「TTMC(※)」の立ち上げメンバーに加わり、伝統的な反射望遠鏡を製作しています。そのクラスでは、メンバーがガラスの表面を磨き、凹面鏡の焦点をテストして表面を放物面鏡に仕上げるなどの作業に取り組んでいます。完成までには1年以上もの期間を要するそうですが、その過程を通じて、望遠鏡光学に関する知識を学び、市販品より安価に、オリジナルデザインの望遠鏡を作れるというメリットがあるそうです。
また、岡部さんは10年以上にわたり科学館で夜間天体観望会のボランティアをしています。夜間天体観望会は、毎月1回ほどテーマを決めて実施されています。この教室には毎回多くの参加者が訪れる人気のイベントとなっており、自身の活動を通じて、より多くの人々に宇宙や星の魅力を伝えたいと考えています。
最後に、岡部さんは「宇宙を眺めていると、地球を俯瞰(ふかん)的にみることができます。地球には国境線はありません。人間が勝手に引いただけです。そして宇宙の果ては138億光年先と言われていますが、人類がその先を見ることは不可能です。その未知の世界を想像することだけでも、とても楽しいですよ」と、笑顔で語っていました。
※TTMC…T(館林)T(テレスコープ)M(メイキング)C(クラス)の略
■夜間天体観望会
毎月1回程度開催。プラネタリウムでは、テーマに沿った星座生解説を行い、実際の星空を観察します。
問合せ:向井千秋記念子ども科学館
【電話】75-1515