文化 大宮盆栽村 100年のあゆみ~再興~
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- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県さいたま市北区
- 広報紙名 : 市報さいたま 北区版 2025年7月号
令和7(2025)年、大宮盆栽村は開村100周年を迎えました。そこで、今年度は歴史を紡いできた先人たちに思いを馳せながら、世界に誇る盆栽の聖地「大宮盆栽村」の軌跡を特集します。
この100年のあゆみを振り返ってみましょう。
■戦時中の盆栽村
太平洋戦争の戦時中は、盆栽、庭木、苗木などを対象に物品税がかかり、盆栽はぜいたく品とされ、時局に適さない趣味と非難されていました。更に、盆栽に必要な針金が手に入らず、手入れをしていた職人たちが戦争に徴兵されると、大宮盆栽村では盆栽園を廃業あるいは転業するものが続出しました。その中にあっても、業を続けた盆栽園は協力し合い、盆栽村の存続に努めました。
■戦後の盆栽村~著名人の来訪~
終戦後、十分な手入れが出来ずに、多くの盆栽が枯れてしまいました。そのような状況の中で、まず盆栽に注目したのは、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)に所属する将校などの外国人でした。軍の調査で九霞園(きゅうかえん)に立ち寄ったボール中尉は、盆栽に強くひかれ、「この素晴らしい訪問を忘れない」と称賛しました。その言葉が盆栽村の人々の励みになり、松の実生から小物の盆栽づくりを始め、再び盆栽を増やしていきました。
その後、昭和20年代後半から30年代にかけて、吉田茂氏を始めとした著名人が盆栽の見学に来訪するようになりました。更に昭和38(1963)年には、ドイツ連邦共和国のハインリッヒ・リュプケ大統領も来訪し、新聞の全国紙で大々的に報じられました。これらの著名人の来訪により、大宮盆栽村の名声が世に広がっていくことになりました。
≪盆栽みっけ≫
~北区役所の盆栽展示~
北区役所1階プラザノース側入口では、市民の森・見沼グリーンセンターで管理している盆栽を飾っています。展示している盆栽は、2週間で入れ替わり、季節に合った盆栽を気軽に楽しめます。もしかすると、お気に入りの一鉢に出会えるかもしれませんよ。区役所へお越しの際は、地域の財産である盆栽をぜひご覧ください。
問合せ:北区役所コミュニティ課
【電話】669・6020【FAX】669・6161