子育て [第19回]本庄市中学生まちづくり議会

7月22日、市内5中学校の15名の生徒が一堂に会し、「中学生まちづくり議会」が開催されました。この議会は、市議会議場を舞台に、市議会本会議に近い形式で進行され、生徒たちが市政やまちづくりについて意見や提案を発表するものです。
議会では、まず市政に対する一般質問を行い、具体的な課題や関心事を市長に投げかけました。その後、中学生自らが考えた議員提出議案について質疑・討論が行われ、採決までの流れを体験。また、前回議会で決定した議員提出議案「きれいで住みやすい街を目指して」を各学校で1年間取り組んだ結果報告も行われ、活動成果を共有しました。
参加した生徒全員に発言する機会があり、発言の際には緊張しながらも堂々と意見を述べる姿が見られ、市の更なる発展を目指す真剣な姿勢が見られました。

※以下、当日の質問・答弁を要約したものです。

■歩道を含む道路の整備状況について
小暮泉美(本庄東中)
質問:八潮市での道路陥没事故を受け、市の道路整備状況や歩道整備の頻度について伺います。東中では生徒の6割が自転車通学するなか、整備不足や街灯が少ない道への不安の声が多く、安全な道路整備を要望します。
答弁:市では、道路や下水道管の安全性を確保するため重点的な点検や調査を進めています。道路パトロールや橋の定期点検を行い、危険箇所には迅速に対応しています。また、各地域の声を聴きながら、通学路である歩道の点検や整備を優先しています。引き続き、安心して通学できるよう、道路の点検と安全性向上に取り組みます。

■環境と観光の視点から過ごしやすいまちづくりについて
須川侑哉(本庄南中)
質問:
(1)街灯設置や道路補修など道路環境の整備が観光地整備にもつながると考えます。
(2)観光名所周辺の雑草問題を解決し美化を徹底することで市の魅力が増すと思います。以上、本庄市を住みやすくするための提案です。
答弁:市では、各地域の要望や交通状況を踏まえた街灯設置や、計画的な道路拡張等、道路の安全対策に取り組んでいます。また、雑草問題にも、市や地域住民の協力で年数回の除草や「クサゼロ運動」を実施中です。地域や団体の清掃活動で市内の名所も守られています。今後も行政と市民が連携し、安全・快適で住みやすいまちづくりを進めていきます。

■「はにぽん号」利用者増加による地域活性化について
岩田彩那(本庄西中)
質問:利用者増加を目指し、
(1)知名度向上のためのポスター掲示や車体へのイラスト導入、
(2)利用促進のためのBGMやポイント制度の導入、以上2点を提案します。この提案は地域活性化につながるものと考えます。
答弁:はにぽん号は、高齢者の利用が多く、運転免許返納者の日常の足となっています。今年3月以降は、LINEやアプリでの予約、さらにはキャッシュレス決済が可能になり便利になりました。幅広い世代への利用促進や知名度向上を図るため、マップの改善やBGMの導入を検討します。ポイント制度の導入など、利用促進の工夫は重要と考えます。ご提案を真摯に受け止めます。

■熱中症の対策について
平原風花(本庄第一中)
質問:近年、熱中症は生活に深刻な影響を与えています。ミストシャワーや、緑のカーテンを本庄駅に設置する予定はありますか。また、クーリングシェルターの追加設置や解放時間の延長はできないでしょうか。
答弁:ミストシャワーや緑のカーテンは暑さを緩和する効果があると認識していますが、設置には課題もあるため、慎重な検討が必要です。市では現在、クーリングシェルターに指定している13の公共施設に加え、民間施設の追加募集を行っています。開館時間の延長は、施設の利用目的に応じて考えていきます。

■既成市街地を中心とした道路基盤の整備について
廣川大翔(児玉中)
質問:市内には幅員4m未満の狭あい道路が多く、整備が遅れています。特に児玉中学校周辺に多く、防災や交通安全面で課題があります。市の道路整備方針や、私たちが守るべき交通ルールを教えてください。
答弁:狭あい道路は市内に多くあり、幅員4m未満の二項道路は約400kmあります。緊急車両の通行や災害時の安全確保のため、市では土地買収による道路拡幅工事や建築時のセットバック(道路後退)制度を推進しています。
中学生の皆さんには、狭い道路に限らず交通ルールを守って頂き、市民の模範となってください。

■議員提出議案
ハンディキャップへの理解を深めよう
島村優希(本庄第一中)
本庄市には、バリアフリーやユニバーサルデザインが数多く整備されており、多くの人にとって暮らしやすいまちであると考えています。
しかし、インターネット上である記事を拝見し、改めて課題について考えさせられました。その記事には、白杖を使用している方が電車の乗り降りの際に行う確認動作を、他の乗客が誤って理解し、不適切な対応をしてしまったという内容が紹介されていました。
この記事を読んで、本庄市においても、いざという時にハンディキャップのある方への対応を「適切」に行えるだけの知識や理解が、必ずしも市民全体に行き届いているとは限らないと感じました。
そこで提案したいのは、本庄市内の中学校において、ハンディキャップのある方への理解を深めるための取組を推進することです。具体的には、中学生を対象にした校内アンケートを通じて、障がいに対する理解度を把握する活動や、正しい知識と配慮を学ぶ学習機会を設けることが考えられます。私たち中学生だからこそできる視点や行動を活かし、積極的に取り組んでいくことが重要です。
このような活動を本庄市内の各中学校で実施することで、障がいに対する適切な理解が市全体に広まり、誰もが安心して暮らせる、より住みよいまちづくりにつながっていくと考えます。

問合せ:秘書課
【電話】25-1154