くらし ちょっとより道

■串引沼(くしびきぬま)(大谷)~比企氏伝承の地を訪ねて(4)~
串引沼は、若狭の局(比企能員(ひきよしかず)の娘で鎌倉二代将軍源頼家(みなもとのよりいえ)の妻)が夫頼家を修善寺(静岡県伊豆市)で殺され失った悲しみを忘れるために、形見であった鎌倉彫の櫛(くし)をこの沼に投げ入れたという悲しい伝承があります。土手に植えられている桜は伊豆市(旧修善寺町)の方から寄贈された山桜で、頼家桜と呼ばれています。真っ白い小さな花が咲きますが、ソメイヨシノのように華やかではなく、可憐(かれん)に咲く山桜です。この桜を観ると、若狭の局が可憐でしとやかな女性であったのではと想像がかき立てられます。現在、串引沼はゴルフ場の敷地内にありますが、外から眺めることができます。大岡地区の豊かな自然を感じながら伝承の地を歩いて散策するのがお勧めです。

○串引沼
交通:東武東上線「東松山駅」東口から市内循環バス(大谷コース)で「大谷交差点」下車
所在地:東松山市大谷